武雄競輪のスポニチプレゼンツ日本名輪会カップ「第26回井上茂徳杯」がS級の精鋭を迎え、9月10日から12日までの3日間開催される。

 例年、同杯は荒れる印象だが、存在感はタイトルホルダーでもある成田和也(45=福島)が際立つ。パートナーの坂本貴史と息の合った北日本連係で成田が玄人受けするさばきを見せつける。

※出場選手は変更の場合あり

【武雄バンク特徴】最大の特徴は直線の長さにある。そのみなし距離は実に64.4㍍と国内の400㍍走路では最長。逃げ切るにはマイペース駆けに持ち込むか後位競りなどの展開に恵まれないと難しい。追い込み型が幅を利かせるが、直線の長さを利して3、4番手から力のあるマーカーが突き抜けるシーンを何度も見てきた。カントも32度0分19秒ときつめで捲りはコーナーの出口で流れることなく、けっこう決まっている印象だ。直線はインより中、外が伸びる傾向にある。


シリーズ展望

成田 ピカイチ

 00年に記念すべき第1回大会(優勝=佐々木浩三)を開催した「井上茂徳杯」は今年で26回目を迎える。

 例年、S級の実力者、個性派が覇を競う興味深いシリーズとなっているが、今回はGⅡ共同通信者杯の裏開催ということで参加メンバーは小粒。その中でもタイトルホルダーでもある成田和也の存在はピカイチだ。選考基準を満たさず、共同通信社杯にその姿はないが、持ち前のさばき、シャープな差し脚でV戦線をリードしてくれよう。

 連係する坂本貴史は21年のGⅢで決勝に進出するなど当地好相性。近況もFⅠを3場所連続優出、うち8月函館を制すなど気配は上々だ。さらに佐藤和也、星野洋輝、須永優太ら好調な北日本勢が顔を並べる。とくにスピードある星野が北日本ラインの先導を買ってでると強固な布陣になる。星野―坂本―成田で折り合うようだと、成田と坂本のワンツーフィニッシュが決まる。

ホームバンク金ケ江 気合充満

 そうはさせじと九州勢が応戦する。ムラだが、松本秀之介はスピード負けしないし、ホームバンクの金ケ江勇気は気合充満。松本の気持ち次第にはなるが、番手を回れれば金ケ江にも勝機はある。阪本和也もライン参加のつもりだろう。芦沢大輔も実力者の一人。元佐賀でバンクの特徴は熟知している橋本瑠偉がひと肌脱ぐ。タテ脚で予選をクリアしている小畑勝広を加えた茨栃勢を警戒したい。

 湊聖二、福島武士はともに109点の競走得点を持つなど好調をキープする。格付け2班ながら真鍋智寛が上位競走に進出すると勝機を見いだせる。

 こちら菅原大也も格付けは2班。しかしながら、3月当地GⅢ、6月奈良GⅢで決勝までこぎつけた。予選は5場所連続2連対でまとめ得点106.23に押し上げている。派手さはないが、堅実な差しが印象的な萩原孝之が菅原のスピードをもらい好配を演出する。


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