別府競輪のモーニング7「日本トーター杯」がA級上位クラスを迎え、9月26日から28日までの3日間開催される。

 脚力接近、実力拮抗する混戦相場と言えるが、中心視したのは123期の新鋭・青木瑞樹(25=岡山)だ。ケレン味のないタテ攻撃で今年2Vを手にしているパワータイプが、同期で地元の長松空吾(24=大分)や潜在能力高い荒川仁(26=千葉)ら同型を力でねじ伏せるつもりだ。


シリーズ展望

 参加メンバーの顔ぶれを見渡す限り、波乱含みのシリーズと言える。とはいえ機動力型の比較となると青木瑞樹が一歩リードする。

 アマ時代は21年の全日本学生選手権1キロTT3位の実績を持つ強地脚が持ち味の青木は123期デビュー後もケレン味のない自力攻勢でV争いを演じてきた。6月の松阪決勝では谷田泰平(岐阜)、門田凌(愛媛)ら強豪を相手に堂々と逃げ切り、今年2度目の優勝を3連勝で飾っている。青木が持ち前の先行力をフルに発揮し今年3Vに照準を絞る。

 前期S級に在籍した佐竹和也(45=徳島)はイマイチ元気がないが、青木の番手を回れればチャンス。しかし、近藤修康(52=岡山)、土井勲(50=岡山)のベテランマーカーが上位に進出すると青木後位は近藤となる。佐竹の位置は遠いと言わざるをえない。

 それより食指動くのは九州勢だ。地元の長松空吾は前々回の松阪で今年2度目の優勝を手にした。青木との同期対決に燃えないはずがない。

 長松と連係するマーカーも得点最上位の西田将士(40=長崎)や好調誇る桑原亮(39=福岡)が控え強固な九州ラインを編成できる。西田、桑原ともに今期S級からの降格組で差し脚は切れる。とくに桑原は7月の佐世保と大垣を連覇するなど健在ぶりをアピール。西田の方は前回立川の初日特選で落車し体調面が懸念される。西田、桑原の折り合いは現状では微妙だが、いずれにしてもライン戦となると九州勢が優位かもしれない。

 東の代表格は大塚英伸(46=静岡)で異論あるまい。前期までS級を張り、決勝常連の実力者だ。ここまでA級では美酒を味わえてないが、流れさえ向けば突き抜けるだけの差し脚を武器に持つ。

 大塚にとって荒川仁(26=千葉)の存在は願ったり叶ったり。荒川はアマ時代にチームスプリントやスプリント種目で輝かしい実績を残し、121期デビューを果たした逸材だ。自慢のダッシュ力で荒川がハナに立つと大塚にチャンスが巡ってくる。


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