譲れない地元の庭。SS班を押しのけ嘉永泰斗(26=熊本)が大きく存在を誇示する。8年4カ月ぶりにリスタートを切った7月のFⅠ(20日~22日)は記憶に新しい。生まれ変わったメインスタンドに詰めかけたファンの前で雄叫びをあげたのが嘉永だった。

 しぶとく決勝に進出した緒方将樹が果敢に先行。外を迫る北井佑季(神奈川)の動きを見極めた嘉永はこん身の番手捲りを決め、執念で新走路初代のウイナーに輝いた。このところのグレードレースでは苦戦を強いられている嘉永だが、地元GⅢとなると話は別。「GⅠと同じように地元記念は気持ちが高ぶる」。ライフワークともいえるホームバンクのGⅢに万全の状態で挑む。

 過去8回の「火の国杯」のうち中川誠一郎が3V。昨年は中本匠栄が涙のGⅢ初Vを飾った。嘉永は3年前の71周年でGⅢ初のファイナルに進出。年齢も実績も上の北津留翼に前を任せ番手捲りを決め、初の記念タイトルを手にしている。以来、GⅠ常連にまで成長。昨年はGⅡウイナーズカップ(別府)、GⅡ共同通信社杯(青森)で決勝に進出するなど初タイトルの期待が高まる。御大中川をはじめ中本ら11人が集う地元の精鋭たち。その中心点を形成するのが嘉永だ。


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