ここは河崎正晴と半田誠の熊本コンビに期待したい。

 河崎は今期7場所を戦って優勝1回、決勝2着が3回で、決勝進出を逃したのは8月佐世保の1回だけと高いレベルで安定。基本的に捲りの決まり手が多いが、積極的に逃げても強さを発揮する。9月富山決勝では突っ張り先行で準V。直前の弥彦決勝はジャンから先頭でペースを上げて池部壮太の優勝に貢献した。最近は差しの決まり手もあり、走りのパターンは多彩。今回は後輩・半田に前を任せて、優勝を狙っていくことになりそうだ。

 河崎は中学、高校時代は野球に熱中していた。高校を卒業後、一度は自衛隊に入隊したが、中学時代の野球チームでチームメイトの影響もあり、1年後に除隊して日本競輪選手養成所の試験に一発で合格。今は経験を積むほどに力をつけている。

 一方の半田は中学、高校で自転車競技に取り組み、高校時代の2020年には全日本ジュニアトラックケイリン1位、2021年の全国選抜大会スプリント1位に輝いている。今年2月の大垣から3場所連続完全Vを達成し、A級2班に特別昇班。やや荒削りなところはあるが、近況の最終バック数19本と積極性は今節随一といっていい。番手につける選手の勝利に貢献することが多く「半田君が頑張ってくれたおかげ」と感謝の言葉を述べる先輩選手は少なくない。ここでは河崎を全力で引っ張って、強敵に立ち向かう。九州勢はほかに地元の西田大志、高橋綜一郎(28=大分)、安東宏高(42=大分)、天野純平(26=佐賀)らタレントが揃っており、熊本勢との連係がどうなるかも気になるところ。

 関東勢は浮島知稀の復調次第だろう。8月青森で特別昇班を逃して以後は調子を落としており、2走前の福井では2日目に7着と大敗し途中欠場。直前の松阪は❺①❺で決勝には進んだが、本来の力からすれば、まだ物足りない。8月前橋と名古屋で2場所連続完全Vを飾ったころの状態に近いところまで立て直せれば、浮島―長井優斗のコンビは九州勢に手強い相手になることは間違いないだろう。

 藤田昌宏と増原正人も侮れない。パリ五輪に出場した太田海也の師匠でもある藤田は直前の別府モーニングを含め今期3V、増原も9月別府で優勝と状態は悪くなく、優勝候補の一角だ。藤田は同じ岡山の松下綾馬(27=岡山)と連係するのが理想だが、目標がない場合は強力なタテ脚を発揮してトップを狙ってくる。

 二條祐也(39=徳島)、堀航輝(29=青森)、松本京太(25=静岡)、水森湧太(25=東京)も展開次第では十分に上位を争う力があり、その動向から目が離せない。


A級チャレンジ戦

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