リニューアルされた施設で約2年ぶりの本場開催となる防府競輪のモーニング7「富士通フロンテック杯」が9日から11日までの3日間、開催される。A級1、2班の精鋭が集まり優勝争いは混とん。勝敗のカギを握る機動力型の比較では青木瑞樹(25=岡山)が頭ひとつリードする。目下、5場所連続優出中と安定したパワー戦が持ち味の青木が6月松阪以来、今年3度目のVに挑む。


 22年11月の開設73周年記念「周防国分杯争奪戦」を終え、リニューアル工事に入った防府競輪は真新しい施設で約2年ぶりに再スタートを切る。シリーズはA級1、2班の精鋭を迎えた「モーニング7」。上位クラスの脚力、実績は拮抗し混戦相場と言えよう。それでも先行力でリードするのは青木瑞樹だ。

 6月の松阪で打鐘から豪快にかました青木は後続を寄せ付けないフットワークで今年2度目の優勝を3連勝で飾った。その後も気配は上々。8月取手から直前の別府まで5場所連続で決勝に進出するなど随所にタテ攻撃の破壊力を見せつけている。ベテラン富弥昭が青木との連係でワンツーを目指す。

 長年、山口輪界の屋台骨を背負ってきた富は76期の52歳。さすがに全盛時の勢いは影を潜めてはいるが、8月取手から直前の熊本まで4場所連続で優出するなど踏ん張っている印象だ。何しろ、ここ防府はホームバンク。青木の番手を無風で回れれば久しく遠ざかっている優勝を手にできる。

 S級経験豊富な伊藤正樹(52=愛知)がV争いに割って入る。大ギア全盛時でも、かたくなに3・54の小ギアを使い、S級を戦った実力者だ。降格後の今期は8月小松島でV。中部地区に上位に通用する先行タイプが見あたらず苦戦ムードだが、ケレン味のない安藤直希(26=京都)と連係できれば勝機をつかめる。安藤は決勝常連で今年4Vをマークしている将来を嘱望される近畿のパワーヒッターだ。安藤直―伊藤正の連係は見逃せないものとなる。

 田口勇介(24=秋田)と小橋明紀(51=青森)の北日本コンビにも食指が動く。ともに今期はS級から降格。美酒は味わえてないが、コンスタントに決勝に進出するなど力はある。

 九州勢は小柳智徳(26=長崎)が名乗りを挙げる。ムラ駆けだが、8月地元の佐世保で今年2度目の優勝をもぎとっているようにツボにはまったときの破壊力は上位にもヒケをとらない。まして同期の徳永泰粋(21=熊本)が前回りし、ひと肌脱ぐと小柳が急浮上を果たす。


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