清水裕友深谷知広山口拳矢

 S級S班は清水裕友(山口)に、賞金ランク10位の深谷知広(静岡)、山口拳矢(岐阜)の3人が参戦。

 地元エースの清水はリニューアル最初の防府記念で大会7連覇を達成することしか考えていないだろう。

 深谷は9年7ケ月ぶりの防府出走で防府記念は初参戦だ。年間最多勝にも意欲を示しており、一つでも多く積み上げて競輪祭に向かいたいはず。

 昨年のダービー王・山口は2度目の防府出走で、こちらも防府記念は初めて。安定感には乏しいが、勝負強さと爆発力には警戒が必要だ。

桑原大志久保田泰弘

 地元勢は清水、桑原大志(山口)、久保田泰弘(山口)と少数精鋭の布陣。桑原は2年前の防府記念、準決勝と決勝で清水とワンツーを決めた。玉野開催の昨年は腰を痛めて初日に当日欠場と悔しい思いをした。清水とともに大いに盛り上げてくれるだろう。久保田は地元記念初の決勝進出が目標だ。

太田海也取鳥雄吾

 地元勢にとって頼もしい存在なのが太田海也(岡山)と取鳥雄吾(岡山)。

 太田はパリ五輪に出場し、先日の世界選手権ではスプリントで銅メダル。当競技で日本勢35年ぶりとなるメダル獲得となった。凱旋初戦の小松島FⅠは初日特選でまさかの失格を喫したが、ワールドクラスの脚力は見るだけでも価値がある。この後は競輪祭、地元で開催される広島記念、ヤングGPと、大事なレースが目白押しだ。

 追加参戦の取鳥は、練習拠点を防府に移してから初の防府開催での防府記念に挑む。練習から走り慣れたバンクでの激走に期待しよう。さらには寛仁親王牌で決勝進出した河端朋之(岡山)もいる。地元勢プラス岡山勢が遠征陣に立ちはだかるのは間違いない。

 四国勢も阿竹智史(徳島)、原田研太朗(徳島)、小川真太郎(徳島)に、橋本強(愛媛)、松本貴治(愛媛)と充実布陣。場合によっては中国勢と別線になるケースもあるが、中四国で結束ならさらに強固なラインが出来上がるだろう。

 深谷が率いる南関勢は岡村潤(静岡)、渡辺雅也(静岡)に、青野将大(神奈川)、川越勇星(神奈川)、東龍之介(神奈川)が上位進出を狙う。大石剣士(静岡)の復調度合いもカギを握りそうだ。

 山口拳がいる中部勢は不破将登(岐阜)、松岡篤哉(岐阜)、橋本優己(岐阜)と岐阜勢の躍進に期待が懸かるが手薄感は否めない。

 賞金ランク12位の吉田拓矢(茨城)が引っ張る関東勢も見逃せない。神山拓弥(栃木)、武藤龍生(埼玉)、杉森輝大(茨城)のS1トリオに、6月に奈良GⅢを制した大矢崇弘(東京)の奮闘にも要注意だ。

 層の厚さなら北日本勢も負けていない。動ける菅田壱道(宮城)と小松崎大地(福島)に、追い込み陣も決め脚鋭い永沢剛(青森)、竹内智彦(宮城)が不気味。桜井正孝(宮城)や佐藤一伸(福島)も軽視はできないだろう。

 近畿勢は東口善朋(和歌山)と稲川翔(大阪)のツートップが強烈な存在感を放っている。東口は2年前の防府記念で3連勝で決勝に進んだ。稲川は今年走った4度のGⅢですべてファイナル入り。今回も大暴れは必至だ。大石崇晴(大阪)や、前回の岸和田で今年2度目のVを飾った清水剛志(滋賀)も虎視たんたんと上位進出を狙っている。

 九州勢は寛仁親王牌帰りの中川誠一郎(熊本)、小岩大介(大分)が中心で、坂本健太郎(福岡)、吉本卓仁(福岡)も近況の動きは悪くない。地元でGⅢウイナーの仲間入りを果たした大西貴晃(大分)も注目を集めるだろう。



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