日本女子で初めてケイリン世界チャンプとなった佐藤。世界で一番、それすなわち国内で圧倒的な一番。今やサトミナか、それ以外か、という状況だ。

 今年の前半戦はガールズケイリンに出場せず、パリ五輪が大目標。期待されたメダルに届かなかったが、日の丸を背負い勇敢に戦った。ガールズケイリン初戦はそのパリから直接競輪場入りしたオールスター。時差や疲労で万全とは言えない中で、あっさり3連勝し五輪の悔しさを晴らした。続く前橋、平塚と楽々完全Vを飾り、迎えたGⅠ競輪祭女子王座戦。グランプリ出場へは勝つしかないというプレッシャーがかかる一戦も難なくパーフェクト優勝。今年12戦12勝。本人は「もっともっと高みを目指したい1年だった」と言うが、国内に敵はいない。

 昨年、立川で念願のガールズグランプリV。今年は大本命として史上初の年間無敗制覇を狙う。競輪祭後に「ファンのみなさんの応援にも感謝が湧いた。グランプリを勝つことが本当の恩返し」とVを誓った。世界の頂に立ち虹があしらわれたウェア〝アルカンシエル〟に袖を通したサトミナ。日本の頂、富士山にも虹を架けてくれるだろう。

 無論、ライバルたちも黙っていない。国内組のエース・児玉碧衣(29)も巻き返しに燃える。今年は4月に地元久留米で行われたGⅠオールガールズクラシックを制覇。ただ、そこからはGⅠ2つとも決勝に進めず、存在感が薄れている。それでも、力は誰もが知るところ。「今年一の自分らしいレースをできるように」と初めてガールズGPを制した静岡で復権を狙う。

 坂口楓華(27)はここまで今年69勝20Vとガールズで一番美酒を味わった。「人間的にも成長できた」という充実の一年。ラストにもうひと仕事やってのけるか。尾方真生(25)はこれで4年連続の出場。7月にはガールズケイリンフェスティバルで初のタイトルを獲得。「ウエートトレーニングの効果が出てきた」と一皮むけたフィジカルでパワーを発揮する。

 落車のケガにより選手生命も危ぶまれた石井貴子(34)が奇跡の復活。GⅠパールカップを制し4年ぶりに頂上決戦に登場する。今年9月に全場優勝を達成した石井寛子(38)は2年ぶり最多11回目の登場。勝負根性では誰にも負けない尾崎睦(39)も6年ぶりの出場でハッスル間違いない。


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