防府競輪のモーニングレースが11日から3日間、開催される。今シリーズはA級、チャレンジレースの2本立て。大混戦のA級は野口大誠(35=熊本)をV争いの中心点に推す。パワーアップした後輩の徳永泰粋(22=熊本)と連係できるのは何と言っても強み。高木和仁(50=久留米)がラインを固めるのもプラス材料だ。125期勢が主力を務めるチャンレンジレースは6Vを目指す森柾斗(24=徳島)が注目株。


1、2班戦展望

 東西の実力者、個性派が顔並べるA級戦は混戦相場だ。V争いの中心に推すのは野口大誠だ。ハイレベルな105期で在校成績1位の成績を収めた逸材は2015年のヤンググランプリ(京王閣)を制すなど早くから注目を浴びていた。このところはすっかり影を潜めているが、今なお得意の捲りは健在。S級から降格した今期は4場所を消化。決勝に進出できないでいるのは不満。おまけに2月小倉最終日の特選で落車しているのは気がかり。だが、走る以上、しっかり調整できているはずだ。

 その野口を後押しするのが徳永泰粋。デビュー当時は苦戦続きだったが、しっかり自転車と向き合いパワーアップに成功。昨年12月の名古屋では捲りでA級初優勝を飾った。徳永の攻めを足場にできる野口にはまたとないチャンス。さらに3番手は5場所連続優出中のベテラン高木和仁が固める九州も陣容は頼もしい限りだ。

 ベテランといえば岡部芳幸(54=福島)。2000年千葉ダービーを制すなどS級経験は実に豊富。年齢からくる脚力の衰えは隠せない。S級から降格した今期もなかなか勝てないもどかしい状況だが、ハンドルさばきは確か。オールダウンダーの中村弘之輔(33=北海道)と連係し、直線伸ばしてくるケースも十分だ。

 藤田昌宏(50=岡山)もV圏内。捲り兼備の自在派で中四国で上位に通用する機動力型が見当たらない以上、自ら動いて活路を開く。差し脚健在の柳谷崇(46=岡山)が藤田とワンツーを目指す。南関は好調・稲葉一真(35=静岡)が侮れない。2月京王閣で久しぶりの美酒を味わった稲葉が齋藤友幸(41=静岡)の機動力を利して上位進出を目指す。

チャレンジ戦展望

チャレンジレースは森柾斗が主役を張る。ここまでの優勝は5回。勝ち上がり段階では長い距離をしっかりもがき押し切るパターンが多い。新人と顔が合う決勝でも、かまし、捲りを使いわけ、常に風を切ることを心がけているのは師匠の湊聖二(86期)の教えを忠実に守っている証拠だ。自慢のパワーを駆使し、森が6Vに照準を絞る。

 対抗格は藤田祐大(21=茨城)だ。1月取手でデビュー初V。弾みを付けた藤田は目下4場所連続で決勝に進出中と本格化しつつある。徹底した先行勝負を貫く藤田が森のスピードを受け止められるかどうかがカギになる。どうしても新人に目が行きがちだが、近藤圭佑(38=埼玉)は81.42と持ち点最上位。藤田と連係できるだけにチャンス到来だ。まして堀勝政(46=群馬)がライン参加。侮れない関東ラインを形成する。

 昨年10月の松阪で初Vを手にした福田健太(24=宮城)もケレン味のない自力勝負が持ち味。S巧者でもある織茂雄一郎(27=山梨)が一発をもくろむ。九州は入田龍馬(21=鹿児島)がV争いに割って入る。直前の小倉で歓喜の初Vを飾り気をよくしての参戦だ。ベテラン勢ではその入田と連係できる加藤昌平(49=福岡)が波乱を呼び込みそうだ。


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