谷口力也
優勝候補の筆頭は地元・熊本の谷口力也。S級から降格後は3場所連続準Vでその後もコンスタントに決勝に進出している。2月玉野と3月の久留米の2場所連続で欠場し心配されたが、復帰戦の直前の取手では2連勝を飾り、上がりタイムも11秒台中盤で安定。持病の腰痛を含め、体の状態に問題はないように見える。復帰後1場所を経験し、脚にはいい刺激になったはず。27歳という年齢からも上積みが期待できる。地元戦は今年2月以来で、このときは初日から決勝までオール2着。力を見せたとはえ惜しくも優勝を逃した。その悔しさを晴らして来期S級復帰に向けていい流れをつくるためにも、地元バンクで今年初Vを飾りたい。3月には別府、武雄で連続優出した同郷の先輩・中村雅仁と連係できるのは心強いだろう。
西田将士
西田将士も有力な優勝候補の1人。1月小倉での完全Vを達成したあとは、1月松戸から直前の佐世保まで4場所連続で決勝に進出。佐世保決勝は松尾勇吾との連係の乱れを挽回しきれず3着で通算2度目の地元Vはならなかったが、好調はしっかりとキープできている。日本文理大学時代には野球部に所属し2年時に明治神宮大会優勝を経験したアスリートは40歳を超えてもまだまだ元気いっぱいだ。良永浩一は直前の小倉で決勝に進出し気配は悪くない。2月佐世保から2場所前の3月玉野までの流れが悪かっただけに、「この結果がいいきっかけになってくれそう」と手応えを感じていた。鋭い差し脚が完調なら、昨年11月松阪以来の優勝を狙える力は十分にある。ほかにも積極的な走りが武器の林昴(23=福岡)や、昨年11月には当地で決勝2着と好戦した地元期待の田中会心(24=熊本)などヤングパワーの活躍にも期待したい。
大槙大介
中国勢は大槙大介が軸になりそう。今年の出走は4場所と少ないが、そのうち3場所で決勝に進出し、競争得点も急上昇。S級で師匠の友定祐己を引っ張るという夢の実現へ、勢いに乗ってきた。1月松阪初日は同郷の先輩・多田晃紀に前を任せられると、初手から前々をキープし、上がり11秒6で押し切り快勝した。かかったときは谷口にも引けを取らないスピードを発揮する。逃げ、捲りを基本に、展開によってはマークをこなす器用さと機動力を兼ね備えている。S下がりの伊藤大彦は今期のVはまだないものの、降格後の7場所中6場所で決勝に進むなど力は間違いなく上位の一角。初日の戦歴がいい石坂永伍、さらに伊藤大、小川圭二(54=徳島)の四国コンビが加わった中四国勢なら、強力な九州勢とも互角に戦えるはずだ。
直前の3月四日市では決勝3着と結果を残した三宅裕武、大崩れが少ない舛井幹雄ら中部勢は目標となる自力型が手薄なのが気になる。近況の最終バック数は8本の山田隼司(38=岐阜)が勝ち上がってくるのが理想だろうが、伊藤成紀と連係することも考えられる。その伊藤は2場所前の3月岸和田で初日から3連勝を飾り今年初Vを達成。準決失敗に泣いた直前の玉野でも最終日には1着を取っており、脚の状態は悪くなさそう。近況は番手から鋭く追い込むケースが増えているが、ここぞというときに放つ捲り一撃は強烈だ。伊藤成を先頭に三宅、舛井と実力派の3人が結束した中近ラインは他線にとっては大きな脅威になるに違いない。