熊本競輪のモーニングレース「トータリゼータ熊本杯」が15日から17日までの3日間、開催される。

 今回はA級1、2班戦。脚力接近、実力拮抗する混戦シリーズとなるが、V争いの中心に推すのは遠藤拓巳(25=香川)。格付け2班ながらハイレベルな125期で在所ナンバーワンの座を射止めたスター候補生だ。特班後のA級もすでに2V。無類のスプリンターが熊本ファンの度肝を抜く。

 今シリーズは波乱ムード漂うA級1、2班戦。本来なら初日特選シードを走るA級1班の実力者を中心視するべきだろうが、勢いは遠藤拓巳が一歩リードする。昨年5月にデビューした125期生のうち阿部英斗(福岡)、栗山和樹(岐阜)、森田一郎(埼玉)、中石湊(北海道)の4人が特昇でS級に昇格するなどハイレベル。その125期で在所ナンバーワンの称号をつかんだのが誰あろう遠藤だ。連勝でもぎとっている。

 チャレンジ戦は昨年10月武雄の特班で卒業。その後のA級でもコンスタントに決勝に進出。今年の仕事始めの高松決勝で得意の捲りを決め、A級初Vを飾ると、2月高知でもハイスピードの捲りを披露し2回目のA級優勝をもぎとった。格付けは2班で予選スタートとなるが、自慢のスプリント力を駆使し、遠藤は順当に決勝へとコマを進めることだろう。狙うは高知以来、3度目のVだ。

 その遠藤とセット配分の近藤誠二(47=香川)がニヤリ。年齢とともに全盛時のキレは潜めているが、前回の伊東を❷②❷でまとめるなど気配は上々。同県の後輩にマークできるとあれば自然と気持ちも高ぶる。

 中部近畿勢は石口慶多(36=兵庫)が代表格。S級から降格した今期は3V。直前の伊東は3連勝でピシャリ締めているようにリズムもいい。果敢な吉川希望(31=石川)と連係を選択するのか、あるいは自在脚で活路を見いだすのかは微妙だが、底力ある石口が侮れない存在となる。

 地元九州勢は持ち点最上位の稲吉悠大(38=福岡)が逆転もくろむ。S級から降格した今期は8場所を消化し7優出。うち4度優勝、準Vが3度と抜群の安定感を誇る。戦歴だけならむしろ稲吉が筆頭格だ。

 パートナーになる立部楓真(26=佐賀)も直前の平塚で3日間BSを引っかけ完全Vを飾るなど体調面も上向いている。さらに地元で人一倍気合が入る合志正臣(47=熊本)の動向も見逃せない。度重なる落車や体調不良などで昨年後期のS級では精彩を欠いていたが、ホームバンクとなると話は別。経験値という最大の武器を活用し鋭い差し脚を発揮する。

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