防府競輪のモーニングレース「トータリゼータ防府杯」が27日から3日間開催される。

 今回はA級1、2班戦。波乱含みのシリーズと言えようが、V争いの中心に推すのは石塚慶一郎(23=和歌山)だ。直前の岸和田で今年3度目の優勝を飾るなど好調をキープする。当地は特班でチャンレンジを卒業した直後の22年6月以来の参戦。自慢のスピードを生かし今年4度目のVに照準を絞る。

 脚力接近するA級戦。中近、中四国、九州から精鋭が顔を並べる混戦相場と言えるが、頭ひとつリードするのは石塚慶一郎だ。今年3Vを飾った直前の岸和田決勝を思い起こしてみよう。吉田篤史(奈良)が先行。5番手打鐘から巻き返した石塚は吉田に合わされながらも外→外をしぶとく持ちこたえ、ラストの直線で1着ゴールを果たした。

 強さを見せつけた一戦だった。当地は22年6月以来、約3年ぶりの参戦。同年5月、青森で特班を決めた直後のA級初戦だった。久しぶりの防府33バンクとなるが、調整もぬかりはない。コンスタントに決勝に進出しているように気配も上々だ。かまし、捲りを得意とする石塚だが、短走路なら仕掛けは早いし、長い距離をもがく強気なタテ攻撃を披露してくれよう。

 ただし、近畿の上位マーカーが手薄。ライン戦となると南儀拓海(26=富山)、藤原誠(52=岐阜)、さらに好調誇る吉川希望(31=石川)の中部勢が互角の評価ができる。デビュー以来、徹底先行を貫く南儀が積極的に風を切る。南儀後位は吉川―藤原で折り合うことだろう。先行、捲りを使い分けられる吉川に展開が向くケースも十分だ。

 中四国は薦田将伍(27=愛媛)が代表格。持ち前のスピードを生かした捲りが最大の武器となるが、いざとなればヨコもこなせる自在脚が魅力一杯。今年の優勝はS級から降格した平塚のみなのは物足りないが、当地の相性も悪くない。今年2月(❸①❺)以来の当地で存在感をアピールする。地元期待の国村洋(48=山口)が奮起を誓うが、直前に岸和田初日特選で失格を喫したのはマイナス材料。

 しかも坂田章(39=高知)、都築巧(25=高知)と力のある四国の個性派マーカーが薦田との連係を主張するはずだ。中四国勢が一枚岩でまとまるとなると、こちらの地区の選手が笑うことになる。

 九州勢は差し脚自慢の中園和剛(42=福岡)がV争いに割って入る。九州に上位クラスの機動力型が不在の中、中園の位置取りにも注目したい。

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