成田和也が初めてGⅠを制したのは12年の熊本ダービー。決勝はアマチュア時代から一緒に頑張ってきた同県、同期の山崎芳仁とワンツー。その山崎の長男・歩夢が4月に特進を決め、ここでS級での初戦に挑む。初日は特選と予選で別々だが、山崎が予選をクリアすれば2日目準決以降に同乗のチャンスが生まれる。山崎は前走取手まで18連勝。A級での強さ、勢いを見れば予選突破は確実。準決でも実力を発揮し、一気に決勝まで駆け上がったとしても何ら違和感はない。そうなれば、守沢太志も含めた北日本3人での鉄壁ラインが実現しそう。果敢に出る山崎を成田が番手で援護、3番手を守沢が固めてラインでの上位独占へ。ゴール前で抜け出す成田が4月熊本FⅠに続き今年2回目のVを決める。

 ただ、強敵が多いのも事実。スピードある中四国の自力型は取鳥雄吾と石原颯。ダービーでは取鳥が1勝含み2連対。石原は一予、二予と連勝を決めて準決に進み、最終日の4走目でも2着で連対。取鳥はダービーの前に青森FⅠでV。石原は同じく玉野FⅠで①①❷、その前の武雄記念ではシリーズ3勝を挙げた。2人とも好調をキープ。まだ経験の浅い山崎に対して大きな壁となることは間違いない。

 福永大智も鋭いダッシュを武器に好勝負必至。自力が基本だが大阪同士で同学年の谷和也がいることはプラス。積極策で調子を上げている谷と一緒に勝ち上がって連係ならチャンスが膨らみそうだ。

 南関のV候補は追加で入った渡辺雅也と地元の嶋津拓弥。2人とも自在性がありメンバー構成に応じた走り。自力も含め状況次第ではシビアに位置を主張することも。追い込み型の岡村潤は同県の渡辺との連係から浮上を狙うことになりそう。

 九州は1班が不在だが2班でも得点を持っている市橋司優人が怖い。3月大垣GⅢも含め、初日予選が中止となった1場所を除く直近6場所で決勝へ。2月玉野FⅠではS級初Vをゲットした。好位を回って踏み込むと突き抜けがある。

A級見どころ
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