吉田拓矢 連覇駆け

 取手競輪開設75周年記念GⅢ「水戸黄門賞」は、5月31日から6月3日まで4日間にわたって開催される。

 シリーズの主役は昨年の覇者で直近のG1名古屋ダービーを制した地元エースの吉田拓矢。S班の真杉匠や佐々木悠葵ら関東、同県の仲間と絆の連係。気迫の走りで当地記念連覇に挑む。南関勢もS班の郡司浩平を軸に松井宏佑、佐々木真也、和田健太郎らで強力布陣。結束して先制なら上位独占へ。そのほか各地区から豪華メンバーが出場して熱戦を繰り広げる。

 最終日の第9Rで実施されるのはA級3班の上位選手による一発勝負のレインボーカップ・チャレンジファイナル。中島淳(埼玉)、弓矢輪太郎(三重)、船山真生(愛媛)、森柾斗(徳島)、藤井優希(山口)、久田朔(大阪)、梅沢忠秀(三重)、貝原涼太(栃木)、野村賢(三重)の9選手が2班特昇(1~3着)を懸けて激突する。(電投番号「23#」)


GⅢ見どころ

ダービー覇者が地元で負けられない

 名古屋ダービー決勝でワンツー、直前の青森全プロ記念でもラインを組んだ関東ツートップの真杉匠と吉田拓矢が黄金タッグ。本命はダービー王となって地元記念を走る吉田拓だ。

 青森では初日の優秀戦で真杉との連係から外を伸びて1着。決勝に当たるSPR賞では結果を出せなかったが全プロ記念の後、全プロ競技大会のケイリンで自力を出して優勝。大事なシリーズを前に状態の面は上々と言って良さそうだ。

 当地記念は昨年が初V。真杉はいなかったが決勝に関東から5人が勝ち上がって結束。吉田拓はラインの3番手を回った。先頭の小林泰正が赤板から突っ張って逃げ、番手捲りの坂井洋の後ろから抜け出してVゴール。脇本雄太ら強敵を相手に絆の連係が実った。ここではS班の真杉と力を合わせての勝負。スピードある佐々木悠葵もラインを厚くする。

 そのほか地元の1班に杉森輝大、芦沢大輔&辰弘兄弟、武田豊樹、そして弟の吉田有希。2班でも自力でパワーアップを見せる木村皆斗、松崎広大、小畑勝広も気合の走り。昨年同様、決勝で固い結束が見られるか。


 神奈川勢も追加で出場となったS班の郡司浩平とトップレベルの機動力を備える松井宏佑が並べば強力。自在型として実力アップしている佐々木真也がいることも目を引く。追い込み型で力のある和田健太郎の存在も大きい。決勝にそろえば関東勢と激しい争いになることは必至。軸は今年5回目の記念Vを狙う郡司だ。

 北勢は福島のタイトルホルダー4人。動ける山崎芳仁、差し脚鋭い成田和也、自力で仕掛ける15年の覇者・渡辺一成の3人が同期。佐藤慎は骨盤骨折での欠場から戦列に戻って5場所目。まだ復調とまではいかない状態だが気持ちのこもった走りで上位進出へ。

 中部、近畿は藤井侑吾と三谷竜生。藤井は地元GIの名古屋ダービーで持ち味を発揮。勝ち上がりは逃したが積極果敢な走りで1勝、2着2回と力をアピールした。三谷も自力基本の走りで底力を見せると怖い。

 中四国の主力は岩津裕介。出場予定だった同期の平原康多が電撃引退。平原に代わっての追加出場となれば気合の入り方が違うはずだ。


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