松岡孔明
先行、捲り、追い込みと多彩な走りで安定した成績を残している松岡孔明を主役に推したい。直前の宇都宮決勝は稲毛知也のカマシを好追。外を追い上げてきた川上隆義を辛くも交わして1着ゴール。今年4度目の優勝を飾り、2場所前の地元・熊本で決勝を逃した悔しさを見事に晴らした。
数々のケガや苦難を乗り越えて、今年1月1日に豊橋で節目の300勝に到達してからここまで順調に15勝を積み重ねた。近走は番手からタテ脚を発揮するケースが増えたが、5月熊本初日では佐々木翔一、中園和剛ら九州勢を先頭で引っ張って最終バックを取り、11秒台の上がりタイムを記録。地元バンクが復活したおかげで、それまで以上にスピード練習に取り組むことができるようになり、剛脚にますます磨きがかかっている。
加倉正義
九州勢では加倉正義にも注目。今年2月の佐世保以降はコンスタントに決勝に進むようになり、2場所前の5月小倉では今年初、通算70度目の優勝を完全Vで飾った。直前の玉野準決では先行する山崎駿哉をガードしつつ最後はきっちりと交わして1着。前走の決勝5着は後方から捲ってきた選手を牽制して空いた内側をすくわれたためで、調子落ちの気配は感じられない。
鶴良生
鶴良生は5月別府で今年初優勝したあと調子を落としていたが、直前の奈良では久々に決勝に進出した。6月の地元・久留米で自転車を乗り換えた効果もあって、状態は上向いていると見て良さそう。前期S級の大ベテラン・紫原政文(57=福岡)や自力強力な前田義和(41=鹿児島)に石川航大(25=宮崎)など九州勢は多彩な顔ぶれ。松岡と加倉、鶴の久留米コンビを軸に充実したライン構成が期待できる。
橋本凌汰は直前の京王閣で優勝し勢いがある。決勝では近藤雄太の番手で柿本大貴、古川宗行の上昇を抑えつつ捲り気味に差し切った。先行、捲りを軸に横の動きにも磨きをかけ、走りの幅を広げている。野崎将史、龍野琳太郎としっかり連係することができれば、2場所連続Vが視界に入ってくる。
立花昌也は5月伊東から4場所連続で決勝に進み安定感が増してきた。5月川崎決勝は6番手からの捲りが届かず2着も、上がりタイムは最速の11秒2をマークした。今場所は病気欠場からの復帰戦で状態面が気になるが、問題が無ければ間違いなくV争いに加わってくる。立花を先頭に一発を秘めた岩崎将士、三沢康人(40=宮城)ら北勢が集結すれば、他線にとっては大きな今日になるに違いない。
関東の坂本将太郎は負傷欠場から復帰し今回が3場所目となる。前の2場所の成績はいまひとつだっただけに、しっかりと立て直してくるはずだ。