熊本競輪の「第74回JC×HPCJC」(FⅠ)が25日から27日までの3日間、熱戦が繰り広げられる。今シリーズはジャパンカップの冠付き。東西の精鋭が集まり、見どころ多いシリーズとなる。V争いの中心に推すのはホームバンクで気合十分の東矢圭吾(26=熊本)だ。5月福井FⅠで2度目のS級優勝を飾るなど成長著しい東矢が地元ファンの声援を味方にV獲りを目指す。
東矢圭吾
東矢 主役任せた
GⅠ高松宮記念杯の裏開催ということで参加メンバーは小粒。それだけにVの行方は混とん。誰にでもチャンスがある混戦相場と言えよう。そんな中、シリーズの中心点に推すのは東矢圭吾(26=熊本)だ。23年5月の武雄でS級特昇に成功。S級初戦の小倉FⅠで連日パワフルなタテ脚を駆使し①①❷とまとめて見せた。その後のS級戦でも高い能力を発揮。昨年2月の静岡でGⅢ初優出。同年12月の前橋FⅠでS級初Vを逃げ切りでもぎとった。
年末のヤングGPにも出場。確定板(3着)に食い込んで存在を誇示した。今年3月のウイナーズカップ(伊東)では勝ち上がりに失敗したものの初日の一次予選では浅井康太、町田太我らを相手に逃げ切り、波乱を呼び込んだ。トップクラス相手に近況も確かな足取りだ。5月福井FⅠ決勝は4番手から捲り追い込んで2度目のVを飾るなど着実に実績を積み上げている。3割増しの地元で東矢が圧巻のパワープレーを披露する。
中川誠一郎
地元の御大 中川 チャンス十分
タイトルホルダーの御大・中川誠一郎(46=熊本)も大チャンス。東矢の番手回りを想定すれば浮上できる。スンナリ東矢を追走できれば、むしろ中川が主軸となる。成長著しい岩谷拓磨(28=福岡)と地元勢がどう連係するのかもポイントとなる。山岸佳太(35=茨城)が追加参戦。ひと息の近況だが、スピードは上位。持ち点最上位の河村雅章(42=東京)は直前の四日市GⅢで決勝進出するなど元気。山岸の攻め方次第では逆転十分だ。
谷口遼平 島川将貴
かまし、捲りで谷口遼平(31=三重)が応戦。ただしライン的には劣勢の感が否めない。直前の小倉FⅠを❻①❶で制した島川将貴(30=徳島)がV争いに割って入る。とはいえ谷口と同じようにラインに上位のマーカーが不在。こちら島川は一発捲りで勝機を見いだす。ラインと言えば北日本勢が幅を利かせそうだ。ナショナルチームにも所属する中石湊(20=北海道)の存在は坂本貴史(36=青森)、嵯峨昇喜郎(26=青森)にとって実に頼もしい。中石―嵯峨―坂本で結束するパターンになると青森コンビが笑うことになりそうだ。
熊本バンク特徴
直線距離短縮でも追い込み有利
昨年7月に8年4カ月ぶりにリスタートを切った熊本バンク。かつての500走路の直線距離は69・5㍍あり滑走路と呼ばれたが、400走路として生まれ変わった。直線距離は60・3㍍。最大カントは34度15分29秒と傾斜度は急だ。直線距離が短くなったとはいえ、やはり追い込みが有利。センター部分にクセがあり、捲りが失速するシーンを何度も見てきた。ペースをつかむと先行も残れてる印象だ。捲りは3角までにハナに立つ早めの仕掛けが有効。直線の伸びは内、中、外と平均的だが、2センター過ぎからの捲り追い込みもけっこう決まっている。