佐世保ミッドナイト競輪のオッズパーク杯が7月1日~3日の日程で開催される。

 今節は7者で7レース戦のオールチャレンジ戦で、尾野翔一(25=福岡)、小西涼太(23=岡山)、中田拓也(29=広島)、山口留稀哉(22=長崎)、山本康旗(24=大分)と127期のルーキー5人が登場。競輪養成所在所1位の尾野を軸にV戦線を盛り上げる。地元の足達重満(49=長崎)に、宮崎一彰(50=高知)、会田正一(55=千葉)、村瀬大和(23=岐阜)、石川恭規(47=福島)ら前期1、2班戦で戦っていた実力者も多数参戦。若い力を相手に激しい戦いを繰り広げる。


 今節の目玉は何といっても尾野翔一だ。競輪選手養成所では第2回と第3回の記録会でゴールデンキャップを獲得し競走訓練では先行主体の走りで51勝をマーク。4着だった卒業記念レースを除けばダントツの成績で在所1位となった。ルーキーシリーズ初戦の熊本ではいきなりピンピンピンの完全V。スピード重視のアドバンス戦だったとはいえ、11秒台前半の上がりタイムを連発し、大器の片鱗をのぞかせた。直前の別府決勝では椎名俊介にフタをされるなど展開的な不利もあり仕掛けが遅れて準Vに終わったが、初日、2日目は圧倒的な走りで2連勝しており、今節への不安はまったくない。

 尾野は小学校時代からずっと野球に打ち込み、高校から専門学校を卒業後は独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知ゴールデンドッグス、九州アジアリーグで実業家でYouTuber、インフルエンサーの堀江貴文氏が創設した北九州下関フェニックスでプレー。打撃の壁にぶち当たって悩んでいたときに、後に師匠となる現S級の競輪選手・柳詰正宏と知り合い、話を聞いているうちに野球から競輪への転向を決意。柳詰の厳しい特訓を経て養成所の試験には1発で合格。卒業後は伊豆に拠点を移し、ナショナルチームの練習に参加するとともに、スプリントなどのトラック競技にも挑戦している。尾野は順調にいけば将来日本を代表する競輪選手、自転車アスリートとなる可能性が高い。その原点となる今節の走りは絶対に見逃せない。

 九州勢は尾野を中心に山口留稀哉、山本康旗のルーキーと、地元のベテラン・足達重満、永田修一(44=熊本)、ラモス・レオ(27=沖縄)ら実力者が参戦。特に足達は直前の京王閣の1、2班戦で久々に決勝に進んで4着と好戦し、脚の状態は良さそう。尾野ら若い力と好連係して底力をアピールしたところだろう。永田、ラモスも近況の成績は比較的安定しており、展開次第では上位争いに加わってきそうだ。

 積極果敢な走りが魅力の村瀬大和を擁する中部勢も柴田佑也(41=岐阜)、深見仁哉(42=愛媛)とタレントが揃っている。村瀬は初日に失敗することが少なくないが、成績自体は比較的安定している。かかったときのスピードと破壊力には定評があり、柴田、深見らベテラン勢の援護があれば活躍が期待できる。

 中国勢の127期・小西涼太はペースで逃げれば尾野に引けを取らないスピードを発揮できる。高嶋一朗(58=岡山)、塩川真一郎(50=広島)らベテランとのコンビネーションが躍進のカギになりそうだ。四国では何といっても宮崎一彰に注目。前期はA1で活躍していた実力選手で、50歳になっても衰えない先行意欲には若い選手も驚くほど。近況は調子を落としていたが、今回のチャレンジ降格で再上昇のきっかけをつかみたい。

 南関では会田正一が中心。先行力がある湯浅大輔(40=千葉)、差し堅実な永山英司(53=神奈川)などバランスがいい布陣となっており、同地区だけでしっかりとしたラインを形成できる。関東の吉松憲二(39=群馬)、鈴木孝征(52=埼玉)、早川成矢(49=埼玉)も降班組。展開によっては南関勢とも連係して優勝を狙いに行く形になりそうだ。

 近畿勢は日浦崇道(34=和歌山)、中嶋響(22=大阪)、浜田翔平(36=大阪)と機動力型が揃い、目標に事欠かない山崎光展(38=京都)が恵まれるかも。堅実に追い込む石川恭規(47=福島)、小田桐義継(47=北海道)と先行力十分の伊藤司(47=福島)を擁する北日本勢も侮れない。


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