別府競輪のミッドナイト「チャリトロ杯が8月6日~8日の日程で開催される。今節は7車立9R制でA級1、2班戦とチャレンジ戦の2本立て。

 1、2班戦は小酒大勇(31=宮崎)、中川聖大(27=福岡)、加倉正義(54=福岡)の九州勢と、栗本武典(29=千葉)、今井聡(37=東京)、久樹克門(33=徳島)、近藤誠二(47=香川)を軸に、激しいV争いが予想される。岡部伶音(26=福島)、福田要(26=宮崎)に野村賢(21=山口)ら若手選手の走りからも目が離せない。

 チャレンジ戦には長野魅切(22=愛媛)、生野優翔(23=大分)、右近陸人(25=山口)と新人3人が参戦。125期の与古田龍門(23=沖縄)も近況の好調ぶりならV争いに絡んできそう。石黒健(49=広島)、塩川真一郎(50=広島)、三浦綾(33=宮城)、為田学(52=沖縄)らA2班からの降級組の奮走にも期待したい。

A級1・2班戦

 中川聖大を主役に抜てき。7月奈良では3日間とも最終バックを取る積極的な走りで降級後初Vを達成。決勝では先行する疋田力也―一ノ瀬康一の後位から最終3角あたりで捲り切ると、そのまま差を広げて押し切った。直前の熊本でもきっちりと決勝に進出。降級後は9戦4勝と白星を量産中だ。

 前期S級ではなかなか思うような活躍はできなかったが、それでも最終的に4勝をマーク。特に2月の地元小倉で挙げたS級初勝利は大きな自信になったという。今回のメンバーでは機動力上位。状態が大きく変化していなければ、栗本武典、久樹克門ら強力な同型にも負けない走りを見せるに違いない。加倉正義、小酒大勇と連係する形になればますます有利に戦えるはずだ。

 加倉は5月の佐世保から7場所連続で決勝に進んでおり、5月の小倉では完全Vを達成。直前の小倉は決勝3着と脚はいい状態で安定。巧みな立ち回りと鋭く伸びる差し脚を駆使して不利を跳ね返ししっかりとした結果を残し続けている。番手の仕事を確実にこなし、先行選手の信頼は絶大。中川を目標にできるここは5月小倉以来の優勝が狙える。

 実力的には小酒もV候補の一角。直前の防府2日目は捲り不発で決勝を逃したものの、降級初戦の佐世保は準V、続く富山も決勝に進んでおり脚の状態は悪くなさそう。前期S級ではマーク主体だったが、捲り兼備の強力なタテ脚は健在で、中川―加倉の後ろに回っても十分にトップが狙える。同県の福田要が勝ち上がってくれば、宮崎ラインで戦うことも考えられる。

 強豪揃いの九州勢に対抗するには久樹克門と近藤誠二の四国勢か。久樹は降級2戦目の7月富山では久々に決勝に進出し、混戦をさばいて準Vと好走した。前期S級では思うような結果を出せなかったが、A級でなら上位を争う力は十分にあるとみる。近藤は6月静岡で優勝後、6月高知、7月宇都宮では2場所連続で準V。直前の武雄では久々に準決敗退となったが、ベテランだけにきっちりと立て直してくるに違いない。自在型の谷元奎心、前期チャレンジで5Vの野村賢の山口コンビも侮れない。

 栗本武典は2月佐世保での優勝以降はやや安定感を欠いていたが、ここにきて1着が徐々に増えており、調子は上向いている。逃げ、捲りに加え、近況は差しの決まり手が増えている。中川や久樹に劣らない機動力を生かした自在な走りは大きな武器になるに違いない。南関の栗本と関東の今井聡、高橋泰裕らが東日本勢として一つにまとまれば、他線にとっては大きな脅威となろう。北日本勢では積極果敢な若手の岡部怜央にも展開次第ではチャンスがありそうだ。

チャレンジ戦

 チャレンジ戦はなんといっても長野魅切に注目だ。競輪選手養成所時代には第2回と第3回の記録会でゴールデンキャップを獲得し、在校成績は10位の好素材。アドバンス戦のルーキーシリーズでは目立った成績を残せなかったが、本格デビューの久留米でいきなり初優勝を飾ると、続く松阪で連続Vを達成。初めてのライン戦に戸惑うルーキーが多い中、長野はすぐに適応し、実力の高さを示して見せた。勢いに乗って参戦する今節もVの最有力候補といっていいだろう。

 生野優翔は本格デビューの富山で優勝し好スタートを切った地元期待のルーキー。直前の佐世保は決勝6着だったが、初日、2日目は逃げて連勝しており、今節メンバーの中でも力は間違いなく上位の一角といっていい。右近陸人はルーキーリーグを含めまだ決勝に乗ったことはないが、直前の大垣2日目には初勝利をあげるなど徐々に上向いており、チャレンジ3場所目となる今回は変わり身に期待したい。

 125期の与古田龍門は6月佐世保での初優勝以降調子を上げており、前々に攻めて走れば自身2度目の優勝も十分に狙える。石黒健、塩川真一郎、三浦綾、為田学ら経験豊富な降級組が新人、若手を相手に意地を見せられるかにも注目したい。