
地元記念3Vへ迎撃 年末へ弾み

浅井 康太
ケガを乗り越え
まさかの出来事だった。GⅡ共同通信社杯(福井)の1次予選。浅井は急病のため当日欠場に。顔見せを終え、レース直前だったため、レースは中止。勝ち上がりは抽選によって決められた。
「限界まで調整したのですが…。お客さまに喜んでもらえるレースができない、確実に迷惑をかけると思って(欠場の)判断をしました」
診断は急性腰痛症と股関節痛。自身は賞金ランキング第9位での参加。グランプリ出場に向けて少しでも賞金上積みしたい状況だったが、ファンファーストを最優先した。まさに苦渋の選択だった。
完全復調手ごたえ
地元に戻ってからは治療をしながら、すぐにリハビリを開始。直前の京王閣記念までには最低限のパフォーマンスを発揮できるまでに回復。初日特選は前の脇本雄太が不発に終わり、自身も7着までが精いっぱいだったが、個人上がり10秒6は復調をアピールするには十分すぎる数字。2次予選は3着で通過。準決勝は再度脇本との中近連係。脇本の捲りに続いて内のコースを選択するも、一歩及ばずの4着に終わった。
さあ松阪記念。浅井は地元のエースとして古性、郡司、新山、犬伏のSSカルテットを迎え撃つ立場だが、心配はご無用。21年の第71回大会で優勝したときも当時のSS4人(平原、郡司、清水、守沢)を相手に目が覚めるような単騎捲りで勝利している。
今年は3月のGⅡウィナーズカップ(伊東)と5月のGⅠ日本選手権(名古屋)で決勝に進出。41歳になった今でもSSクラスの実力をキープしているのは、日々の努力があってこそだ。賞金ランキングは第10位。僅差でそれを追う犬伏を振り切り、一つ上の9位にいる新山との差を少しでも埋めることが、GⅠ寛仁親王牌に向けてのテーマになる。地元ファンの声援をパワーに変えて、3回目の松阪記念Vを目指す。