
24年10月にリニューアルした防府競輪場を舞台に開催されるGⅡ「第10回ウィナーズカップ」が19日から22日までの日程で争われる。
防府競輪場でのビッグレース開催は、神山雄一郎(現日本競輪選手養成所所長)が優勝した15年4月のGⅡ共同通信社杯以来、約11年ぶりだ。
S級S班9名や、地元の清水裕友、桑原大志ら豪華メンバーが短走路の天神バンクで覇を競う。地元ビッグに燃える2人の意気込みを聞いた。
最終日の9Rではガールズケイリンのデビュー2年未満の選手で争われる「第8回ガールズフレッシュクイーン」が開催される。
| 優勝しか考えていない |
| 清水 裕友 |

ついにこの男が地元のビッグレースを走る。防府記念を6連覇(69~74周年、74周年は玉野開催)した山口支部の大エース・清水だ。
14年7月のデビューだったため、15年の共同通信社杯開催時はA級選手。当時はイベントに参加し観覧席からレースを見た。あれから11年。たくましくなった清水に地元ビッグを走るチャンスが訪れた。
しかし、その道は平たんではなかった。S級S班だった昨年はGⅢを2度制したが、肺血栓などの影響もありグランプリ争いに加われず、ウィナーズカップ出場権獲得も危ぶまれる状況だった。
「競輪祭で(S班から)落ちるのが決まった段階でウィナーズの権利っていうのは頭にありました。せっかく防府にGⅡを呼んでくれたので」
グランプリへラストチャンスだった競輪祭が、まさかの一次予選敗退。ただ、そこからは別人のような走りに。以前の積極性が戻って、結果にもつながった。
「なにかあったとかはないですけど、消極的なレースが続いて負けた感じがあった。それをどうにかするにはレースで動かないと戻らないなと感じて。もともと考えずにできていたことが、それをまた考えずにやるにはどうしたらいいかなって感じでした」
12月は記念3本に出走。広島記念は、22年9月の青森記念以来となる追加参戦だった。それほどまでに地元ビッグ出場への執念を見せ、競輪祭以降で6勝を積み上げた。出場権はもちろん、特選シード権まで手に入れた。
同じくS班から陥落した松浦悠士、新山響平、犬伏湧也が権利を取れなかった事実を考えると、地元ビッグへの意地以外に考えられない。
26年は心身のメンテナンスに時間を割き、先月の熊本GⅠ全日本選抜で復帰。直後の大垣記念では大きな収穫もあった。
「2日目から使ったフレームでウィナーズも行くと決めた。乗り方も大垣の2日目から見えてきた感じがある。フレームもハマったと思うけど、そっちもハマった気がする。それをしっかり落とし込んで練習して本番を迎えたい」
試行錯誤していたフレームで悩むストレスがなくなり、近年苦しんでいた乗り方でも光が見えてきた。いい形で初の地元ビッグを迎えることができた。
「そこに関していえば優勝しか考えていない。そのためにしっかり走りたい」
あとは地元ファンに勇姿を見せるだけだ。何度も何度もプレッシャーをはねのけて結果を出してきた地元バンクで、22年宇都宮以来となるウィナーズカップ3度目、久々のビッグレースVに挑む。
| 後悔のない大会にしたい |
| 桑原 大志 |

地元ビッグを知る50歳が再び防府GⅡに出場する。山口支部で15年の共同通信社杯に唯一出走し、2勝を挙げて孤軍奮闘した桑原が11年後の今回も出場権を獲得。
「行きたいなと思っていたけど1着が少ないタイプだし…。やれることをしっかりとやっていこうとだけ考えていた。そうしたら熊本FⅠの決勝で石原颯君が頑張ってくれて、自分は抜くだけの状況だった」
1着を量産するか、FⅠで多く好走しないと出られない狭き門のウィナーズカップ。石原の突っ張り先行のお膳立てがあったとはいえ、きっちりと結果を出すのは50歳の年齢を考えると驚異的だ。
「このタイミングで恵まれるとはね。最後の最後だと思う地元ビッグの権利を取ることができた。以前は50歳でS級を走っているとか思ってもいなかったのに。うれしい話です。ごほうびかな」
ウィナーズカップ出場は第2回の18年松山以来、実に8年ぶり。最後になるかもしれない地元ビッグへの思いが如実に表れた。
しかも今回は1人ではない。頼れる大エースに成長した清水とともに地元GⅡを戦う。
「清水と一緒に出られるのが凄く幸せ。一緒にいる時間も長いし、僕を追い越してくれて引っ張ってくれる。引っ張ってもらっているのが幸せ。彼がいなかったら僕の糸も切れていたかも。ビッグで一緒に連係できたらと常々思っている。彼の後ろは譲る気はないって気持ちで、日々練習しています」
年またぎ開催だった岸和田FⅠ初日、12月31日に落車して右肩甲骨を骨折。その際も「(清水が)すぐに連絡をくれて、治療とかのアドバイスをくれた」と感謝する。
26年は「右腕が上がらない」状態の苦しい幕開けになったが1月27日に50歳となり、復帰2場所目のGⅠ全日本選抜は二次予選進出と存在感を示した。
「1カ月で強くはならないと思っている。今の能力を最大限に発揮できるように」
11年ぶりの防府でのビッグ。前回を知っている地元戦士は「(気持ちが)湧き上がってきた」とたかぶりを抑えきれない。
「ワクワクしながら、やりきったなと思える、後悔のない大会にしたい」
前回(15年共同通信社杯)は、のちの他地区の選手マークから初日と最終日に白星。まずは特選からスタートする清水との連係を目標に、一戦一戦、魂を込めて走り抜く。
| GP4人出場近畿勢強力 -先行予想- |
昨年のグランプリに4を送り込んだ近畿勢が今年も強い。今年最初のGⅠ全日本選抜でも脇本、古性、寺崎のS級S班3人と三谷将太がファイナル進出。寺崎の突っ張り先行に乗った脇本が番手捲りでVを飾って、古性とワンツーを決めた。昨年に続いてグランプリ出場一番乗りの脇本は3日目が37歳の誕生日のバースデーシリーズ。
再び近畿から大量優出となれば、今度は脇本が先頭でひと肌脱ぐ可能性も大いにある。大会連覇を狙う古性は復調急で、今回も安定感抜群の走りで魅了する。
昨年MVPの郡司は防府記念で3度の決勝進出歴がある。深谷知広や松井宏佑らの奮起があれば、2度目のウィナーズカップVが近づく。
吉田拓と真杉の関東SSコンビも見逃せない。全日本選抜で決勝進出を逃したが、吉田拓は松山記念で復調を示した。1月に落車した真杉はどこまで状態を上向かせられているか。
北日本勢は新山響平の不在がなんとも痛い。防府好相性で、直前の大垣記念を制した菅田壱道や、S班の阿部が存在感を示したい。中部勢は捲り強烈な山口拳の大躍進に期待が懸かる。
九州勢は全日本選抜で決勝進出した荒井、S班の嘉永が軸となる。競輪一本で戦う山崎賢もそろそろビッグレースで結果がほしい。
中四国勢は松浦悠士、小倉竜二、松本貴治、犬伏湧也のビッグネームが不在だが、石原や町田太我が元気いっぱい。清水と桑原の地元コンビを中心に一枚岩となって11年ぶりの防府ビッグを盛り上げる。
| 混戦断つ -第8回ガールズフレッシュクイーン- |
| 半田 水晶 |
デビュー2年未満(126、128期)のガールズのうち、ルーキーシリーズプラス2025の優勝者と、昨年7~12月の平均競走得点上位者7人が一発勝負で覇を競う。今回が8回目となる。
ナショナルチームに所属する仲沢春香(126期)と酒井亜樹(128期)の両期を引っ張る2人が不在で混戦ムード。
1月岐阜では久米詩や小林優香、2月高知で鈴木奈央を破ってVを飾った半田のパワーが魅力的だが、強烈捲りが武器の大浦、北岡に、積極的な攻めが光る岡田も侮れない。残る3人も経験値を生かして台頭を狙う。
| ① | 大浦 彩瑛 | 30 | 神奈川 | 126期 |
| ② | 北岡マリア | 20 | 石川 | 128期 |
| ③ | 高木 萌那 | 21 | 福岡 | 126期 |
| ④ | 半田 水晶 | 28 | 茨城 | 128期 |
| ⑤ | 豊田 美香 | 30 | 徳島 | 126期 |
| ⑥ | 中島 瞳 | 21 | 埼玉 | 126期 |
| ⑦ | 岡田 優歩 | 22 | 和歌山 | 128期 |
