佐世保競輪場でGⅠ初開催となる「毎日新聞社杯第2回女子オールスター競輪」が8月7日に開幕。3日間のナイター開催だ。

 世界女王で昨年、年間グランプリスラムを達成した佐藤水菜(27=神奈川)が今年もオールガールズクラシック、パールカップを制覇と勢いは止まらない。

 10年連続ファン投票1位に輝いた児玉碧衣(31=福岡)も思い入れの強いオールスターが九州地区での開催と、奮起材料が整った。

 佐世保の夜が真夏の女王決定戦で華やかに彩られる。なお、出場選手は変更の場合あり。

児玉碧衣 30連勝中のバンクでタイトルつかむ

過去イチ「うれしい」 GP3連覇より上

 ガールズケイリンは昨年から世界女王〝サトミナ〟一色ムード。それでもファンは児玉碧衣に期待している。オールスターファン投票は10年連続で児玉が1位に輝いた。

 「いいときも悪いときもこんなにお客さんが応援してくれとるんやと、票数、数字で分かるので。本当にありがたい。毎年毎年選んでいただいてうれしいうれしいって言ってるんですけど、10年っていうのは今までにないくらいうれしい。考えれば考えるほど、グランプリ3連覇よりも誇れる記録。自分の中で一番誇れる記録かなって思います」

 自身ではグランプリ3連覇よりも上だと表現。それもそのはず、どれだけ強くてもタイトルを獲っても、ファン投票だけは自分では操作できないからだ。

 「男子選手のどなたかが言ってたんですけど、強いだけじゃオールスター(ファン投票)1位は獲れない。タイトルを獲るよりも難しいって聞いたことがあって、たしかにそうだな、って。うれしいですね。10年連続っていうのはなかなか超えられない記録なんじゃないかなって思います」

 そんな児玉だが「何を評価されているのか、いまだに自分でも分かっていないんですよ」と笑い飛ばす。そういったところも児玉の魅力であり、ファンに愛されている部分だろう。

 24年は地元GⅠ(オールガールズクラシック)を優勝したが、昨年は無冠に終わった。

 「今年はフレーム、セッティングを替えて、シューズも替えた。シューズもしっくり来ているし、フレームも違和感なく乗れています。今まで押さえ先行なんてしてきたことなかった。カマして、そのスピードで抜かれずにゴールできるかどうかっていうレースばかりしていて、それが徐々踏みをできるようになってきた。セッティングとフレームとシューズと、練習を見てくれている方のおかげだと感じます。レベルが上がってトップスピードが上がってきているから、カマシ先行したところでいい目標にされてしまう。いいカマシをしても後ろが楽になるだけ。自分もキツくても、今後はいかに後ろを苦しめられるかが大事になってくる。戦い方も最初の頃と変わってきている感じがありますね」

6月GⅠ欠場も広島&奈良完全優勝

 確実にレベルアップを遂げて戦法の幅が広がった。4月GⅠオールガールズクラシックは決勝3着。6月GⅠパールカップは3年ぶりにファイナル入りを果たした。しかし、準決勝後に足を負傷し、決勝は無念の当日欠場となってしまった。

 「悔しいのと申し訳ないのと両方の思いでしたね。パールカップは2年決勝に乗れていなくて、久々に決勝に乗れたと思ったら…」

 決勝の走りに期待していたファンも残念だっただろうが、一番悔しい思いをしたのは児玉自身だろう。だからこそ、オールスターでは、の思いも強いはず。心配されたその後は広島、奈良を完全優勝。

 「筋力や体力が落ちている感じはあったけど、佐世保までには間に合う。気にしてないです」

 どうやらオールスターは本来の状態で臨めそう。ひと安心だ。そのオールスターは児玉自身、思い入れが強い大会でもある。

 「個人的に追い詰めちゃってキツい時期があったけど、初めて獲ったタイトルがオールスター(18年いわき平、ドリームレース)だった。そこから流れが変わって、競輪祭も獲って、グランプリも獲って(グランプリ)3連覇できた。オールスターがターニングポイントになったんです」

 今年もファン投票1位で選出された。24年オールガールズクラシックから遠ざかるタイトル奪取をファンは待っている。

 「昔みたいに平開催は勝てるのに、タイトルを獲れないっていう状況になっている。今年のオールスターは九州地区ですし、また優勝してきっかけをつかんでそういう流れに持っていきたいっていう思いは凄くありますね」

通算33戦32勝10V! 好相性を誇る地元バンク

 今年の舞台は地元地区の佐世保。現在30連勝中で通算33戦32勝、2着1回。11節走って10度優勝と抜群の相性を誇るバンクだ。

 「そんなに勝っているイメージはなかったです。直線が短い?4コーナーを回ってからすぐゴールするって感じはありますね。あとは敢闘門が急。レース後にあそこを上るのはキツいんですよね(苦笑)」

 サトミナの進撃を止めるのは、ファン投票で金字塔を打ち立てた児玉しかいない。

 「ガールズだけのGⅠが九州地区であるのはなかなかない。しかも自分のターニングポイントになったオールスター、自分の中で特別な舞台が佐世保である。より一層気合が入るし、うれしい。今はデビュー当時みたいな感じになってしまっている。結果を出してきっかけをつかんで、流れをつかみたい。自分に期待して頑張ります」

 走れず終わったパールカップ決勝の借りはGⅠでしか返せない。ファンの期待に応える好結果で、佐世保の夜空に碧衣コールをこだまさせる。

 ◇児玉 碧衣(こだま・あおい)1995年(平7)5月8日生まれ、福岡県大野城市出身の31歳。清風高卒。15年7月、108期生としてプロデビュー。通算成績は812戦669勝。通算優勝194V。主な優勝はガールズドリームレース(18、21、23年)、ガールズグランプリ(18、19、20年)、パールカップ(23年)、オールガールズクラシック(24年)。1㍍68。血液型O。

敵なしサトミナ
桁違いのパワー&スピード

 昨年タイトルを総なめして年間グランプリスラムを達成した佐藤水菜が、今年もオールガールズクラシック(AGC)とパールカップを制し女子GⅠ7連続V中。現在23連勝中で直前の立川ワールドシリーズもグロ、ファンデルワウに快勝と向かうところ敵無し状態だ。世界のサトミナが初の佐世保でもケタ違いのパワーとスピードを披露する。

 打倒サトミナ一番手はやはり児玉碧衣だろう。佐藤が最後に負けたのが昨年の岐阜AGCの準決(2着)で、土をつけたのが児玉だった。30連勝中の佐世保で、10年連続ファン投票1位の大声援に後押しされて24年4月の地元AGC以来のGⅠ制覇を目指す。

 今年はAGC準Vで、パールカップも決勝進出した太田りゆ。賞金ランク2位で、ファン投票も2位。GⅠ初制覇の期待も高まっている。昨年大会は準決で無念の落車失格。18年3月に完全優勝して以来、2度目の参戦となる佐世保で昨年の分も奮闘する。

 パールカップ準Vの仲沢春香はこれまで走ったGⅠ4場所すべてで決勝進出。初の佐世保でもナショナルチームの底力を示し、今度こそサトミナ撃破を狙う。

 先月、通算700勝を達成した山原さくらは今年12V、女子トップの43勝を奪取して賞金ランク4位。昨年の10Vを早くも上回り、2年連続グランプリ出場へ好ペースを刻んでいる。

 尾崎睦は今年のAGC、パールカップ優出とGⅠでの強さは健在。ファン投票4位の久米詩はパールカップで、準優勝だった昨年の女子オールスター以来のGⅠ優出で決勝3着。昨年に続く大暴れなるか注目だ。

 昨年の女子オールスター決勝3着の柳原真緒は児玉と山原と並んで女子トップの今年12V。賞金ランク6位と4年ぶりのグランプリ出場へ奮闘中だ。昨年のグランプリ出場メンバーの梅川風子と坂口楓華の底力も見逃せない。

 ファン投票5位で選出の石井寛子も俊敏な立ち回りで上位進出を図る。吉川美穂や小林莉子の勝負強さも侮れない。小林優香と尾方真生が九州地区のGⅠでハイパフォーマンスを見せる。佐世保4連続V中の那須萌美や、捲り鋭い大浦彩瑛、2度目のGⅠ参戦の北岡マリア、GⅠ初参戦の酒井亜樹の走りからも目が離せない。

 また、補欠から繰り上がった、地元から唯一の参戦となる高尾貴美歌にも期待が懸かる。

高速バンク化した佐世保競輪場

新スタンドの影響 風向きが不規則に

 佐世保競輪場はメインスタンドがリニューアル。バンクも改修工事が施され、ウオークトップが塗り替えられた。

 6月末まで支部長を務めた佐藤幸治は「以前はホーム向かい風が多かったが、メインスタンドが新しくなって風向きが不規則に。夜はほとんど風が吹かないと思うけど、風が強いときはホームの風が以前よりも強く感じるようになった」と、新スタンドの影響について言及。

 さらに「走路は路面抵抗が少なくて以前よりもスピードが出やすくなった」。バンク改修で高速バンクと化した。風の有無とともに注意したい。