開設73周年記念宇都宮競輪GⅢ「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」は、19日から22日まで4日間にわたって開催される。豪華メンバーがそろう中でも注目は地元の若手強力先行、真杉匠。ダービーでは2年連続で決勝へ。3月名古屋記念以来、GⅢ2回目のVをホームバンクで狙う。坂井洋、長島大介ら力のある同県の仲間との連係で上位独占なるか。S班は西のスター古性優作、松浦悠士と地元勢同様に関東のGⅢに燃える吉田拓矢、宿口陽一。スピードある山口拳矢、中川誠一郎も自力で好勝負を見せる。(電投番号「24#」)


 すでに関東を代表する先行型に成長を遂げたと言っていい真杉匠。いわき平ダービーでも初戦から先行でスタイルを貫き、昨年京王閣から2年連続で決勝に進んだ。ファイナルは平原康多、佐藤慎太郎と3車。別線の敵はGⅠ最高峰の決勝らしく脇本雄太、古性優作、清水裕友らそうそうたる顔ぶれ。真杉は先手を取れず不完全燃焼だった昨年の悔しさを晴らすべく、赤板で前受けの脇本雄太を抑えると打鐘前の2角で誘導を切って、そこからは全開。引いた脇本は7番手。真杉はラインから勝者を出したい一心。がむしゃらに踏んだが最終1角から仕掛けた脇本が3角で外を襲いかかる。車間を空けていた平原が合わせるように出たが脇本の勢いは止まらない。4角で平原に踏み勝つと力強くVゴール。平原は4着で、3番手の佐藤が2着に入ったが優勝までは届かず。そして真杉自身は9着に終わった。

 結果だけを見れば目標は果たせずということに。それでも、やるべきことをやって力を出し切った充実感は残ったに違いない。その後、いきなり迎えるのが大事な地元記念。GⅢでは今年3月名古屋記念で逃げ切り初V。物おじはしない。直線の長い500走路でも走り慣れた舞台。坂井洋、長島大介や輪界のレジェンド・神山雄一郎ほか同県の仲間とラインを組み、徹底先行で勝負をかける。二予で敗れた3月GⅡウィナーズカップの分も強い気持ちで地元グレードレースでのVを目指す。

 S班は古性優作、松浦悠士、吉田拓矢、宿口陽一の4人。昨年のGP覇者で2月取手全日本選抜も制した古性はダービーで今年のGⅠ連覇を狙ったが決勝5着。優勝した脇本に続くも最終2センターで佐藤にけん制されて勢いを殺された。ここでは動く組み立てとなりそう。シビアに攻めて勝ちにいく。

 松浦は昨年に続きダービー連覇を狙ったが二予で敗退。それでも後半2走ではきっちり連勝。勢いを完全に戻すべく自力で強さを見せるか。

 吉田もダービーでは決勝に進めず。ここで結果が欲しい。もちろん基本は関東連係。ただ、決勝に地元勢がそろった時は別線となることも。連係実績ある宿口とS班でのタッグが考えられる。

 そのほかの注目は中部のハイパワー・山口拳矢。ダービーでは準決で敗れたが、ケガの影響がなくなり上昇ムード。宇都宮は3月ウィナーズカップ❼失欠の後、4月ミッドナイトで❶①❷着。ここでVなるか。

 中川誠一郎は18年当地記念覇者。スピードを生かして捲ると浮上する。