別府競輪のミッドナイト「オッズパーク杯」が20日に開幕する。A級1、2班戦とチャレンジ戦の二本立て。A級1、2班戦は7月から待望の初S級が決まっている貴志修己(26=和歌山)の先行力がリードする。同じく来期S級の吉武信太朗(28=愛媛)や、前場所の大垣で1、2班戦初Vを飾った中武三四郎(29=大阪)の機動力にも要注意。近況好調な高木和仁(47=福岡)も上位進出は必至だ。

 チャレンジ戦は松本憲斗(25=熊本)、高橋綜一郎(25=大分)、白井優太朗(20=広島)らの119期勢が火花を散らす。


A級1・2班戦

 貴志修己がパワフルな先行で魅了する。昨年1月に2班に特別昇班してからはレース内容にこだわり続け、積極策を貫いた。A級ではトップクラスの先行力を身につけ、7月からはいよいよS級に戦いのステージを移す。近況は初日特選を当日欠場した1月の奈良を除けば、昨年11月から16場所連続で優出中。別府バンクは昨年の9月以来、2回目の参戦だ。前回は準決勝4着で決勝進出を逃した。今回こそは強い姿を披露してくれるだろう。

 来期はS級復帰が決まっている吉武信太朗は別府バンクが大得意。これまで8節出走して優出を逃したのは1回だけ。優勝が2回あり、今年2月は準Vと奮闘した。来期を見据えてか積極的なレースも増えており、貴志との先行バトルは必見だ。

 中武三四郎の勢いも侮れない。昨年は1度も優出がなかったが、今年はすでに4優出。前場所の大垣ミッドナイトでは鋭く捲って1、2班戦初優勝を決めた。確実にパワーアップを遂げているが、今年1月の別府ではまさかの予選6着に終わった(2日目以降は開催中止)。今年、予選敗退したのはこの開催だけで、今回はその分も大暴れに期待しよう。ムラがある野崎将史だが、今年は1月の松山と4月の久留米でV。ツボにはまった際の破壊力は相当なもので軽視は禁物だ。

 追い込み陣では3場所連続優出中の高木和仁に期待が懸かる。近況は好目標がいる開催が多かったが、今回は井寺亮太や佐々木翔一らの奮闘が必要になりそう。場合によっては自ら前々に攻めることもありそうだ。内山貴裕と金子浩貴の京都勢は、貴志と中武との連係から上位進出を狙う。広田敦士や佐々木翔一、井寺亮太の機動力や、直近2節で4勝を挙げている宮崎康司も不気味だ。


チャレンジ戦

 119期勢がシリーズを引っ張る。中でも今年4Vで、直近4節は優勝2回、準優勝2回の松本憲斗がV候補筆頭だ。特別昇班を懸けて臨んだ前場所の豊橋では連勝を8に伸ばして2班へ王手をかけたが、決勝は同期の疋田力也に半車身の差で敗れて悔しい準V。7月から2班に昇班を果たすが、9連勝での特別昇班はならなかった。今節はその悔しさをエネルギーに変えて、今年5回目の優勝を目指す。

 先月の佐世保で今年2回目のVを飾った白井優太朗は、前場所の向日町準決勝で落車。豊橋を欠場して、今回が復帰戦になる。1走目の走りで状態を把握したい。地元の高橋綜一郎も見逃せない。地元は過去6節全てで優出し、優勝2回、準優勝2回。今回も地元戦に強いところを存分に示したいところだ。原井剣也に、追加参戦の入江航太もV戦線をにぎわす。

 119期以外では若手キラーの増成富夫や、縦横無尽に攻めて大崩れが少ない山中崇弘、差し脚鋭い沢亀浩司、さらには近況の動きがいい竹下翔に注目したい。