G戦も9車も初挑戦

 岩手の怪物が地元で新たなステージに挑む。121期の早期卒業生でデビューからの連勝記録を「27」に更新している中野慎詞(23=岩手)が、明日開幕する青森競輪開設72周年「みちのく記念競輪・善知鳥杯争奪戦」で初のGⅢにチャレンジする。グレードレース初参戦で9車立ても初めて。一線級を相手に連勝を伸ばせるのか。試金石のシリーズだ。

 27連勝の軌跡は圧巻の連続。S級初陣の函館FⅠ決勝は師匠の佐藤友和(岩手)と見事な連係プレーでワンツーを飾り最高の滑り出し。S級3場所目の静岡では準決勝でバンクレコードタイとなる10秒8(捲り)をマーク。雨風が強い悪条件で驚がくのタイムを出すあたりが末恐ろしい。まさに手が付けられない強さだ。

 自転車競技ではHPCJCで日々鍛錬。8月末に伊豆ベロドロームで行われた全日本トラック自転車選手権のケイリンで優勝。3走を務めたチームスプリントで大会新記録をマークと競輪と自転車競技の〝二刀流〟は勢いが止まらない。デビューから史上最速GⅢ優勝の記録にも挑む4日間から目が離せない。

 ▼HPCJC 「High Performance Center of Japan Cycling」の略。世界選手権やオリンピックでメダル獲得を目指して選手を発掘し、強化、育成する組織。伊豆ベロドロームを拠点として活動している。

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