躍進が光っている橋本優己。今年1月S級初昇格を果たすと、5月別府でS級初優勝。その後もコンスタントに白星を重ねて、オールスターではGⅠ初勝利を飾っている。「ひとつでも勝とうと狙っていたので、勝てて良かった」と大舞台でも勝負強さを発揮。他にもトップクラスの選手からいろいろとアドバイスをもらって、成績以上に得るものは大きかった。
「S級になってベースをつくり直そうと思った。まずは体をつくるところから。冬場に食べる量を増やして、体重が増えた」。1㍍76と元々の恵まれた体格に、フィジカル強化を果たした。一層厚みを増して、本格派の機動型に成長を遂げている。
「ここまで地道にやってきたので、特に練習方法は変えずに今の方法でスピードとパワーを付けていく」。特別競輪を見据えて、脚力強化には余念がない。最終バック本数は着実に増えていて、S級になってさらに積極性は増している。「FⅠでは長い距離を踏むことを意識している」と確かな意志を胸に、先行してパワー強化につなげている。
9月共同通信社杯の初日では競輪界最強の脇本雄太と対決。「別府、大垣と乗り方を変えてフィットしてきた。力の差を確かめたい」と臨むも完敗。それでも2日目には捲ってGⅡ初勝利を挙げ、ポテンシャルの高さを示した。伸び盛りの期待の星が、今回も縦横無尽に攻めて躍動する。
♢橋本 優己(はしもと・ゆうき)2000年(平12)1月5日生まれ。岐阜県出身の22歳。20年5月小倉でデビュー。今年1月S級に初昇級。5月別府でS級初優勝を飾る。8月オールスターではGⅠ初出場で初勝利を達成。松阪記念は今回が初出走。1㍍76、80㌔。血液型O。