佐世保最終日1R


 広木まこが気合の自力勝負で白星をつかむ。

 2日目2Rは道中3番手と好位置を確保。ラスト1周から一気にペースを上げた先頭の日野未来、2番手の佐伯智恵をしっかり追走しながら自力発動のチャンスを狙っていたが、予想に反して外から捲ってきた高尾貴美歌に反応が遅れ、結果は4着。惜しくも4場所連続の決勝進出を逃した。

 初日はバックを取る走りを見せ3着と健闘。「1着になれなかったのは残念だけど、自分で動いての結果だし、走りには納得している」と満足感を漂わせた。ところが2日目は動くチャンスをうかがっている隙にしてやられてしまった。レース後は「高尾さんが後ろにいるのは分かっていたので、内を警戒していたら、外からこられて対応できなかった…」と肩を落とし、口から漏れるのはため息ばかりだった。

 もちろん悔しいままで終わらせるつもりはない。「最終日に勝って、悪い流れを断ち切りたい」。このレースの出走メンバーで競走得点が50点台なのは広木ただ1人だけ。逃げの決まり手がついている選手もほかにはいない。実力を考えれば、よほど大きなミスをしない限り、後れを取ることはないはずだ。

 広木が持ち味の積極的な走りで押し切って、人気にしっかりと応えるとみて、車券は浜地晴帆への❶❷から❸❹❺が狙い目。初日、2日目と続けて5着だったが動き自体は悪くなかった岩田みゆきが浮上したときの❶❸から❷❹❺も押さえたい。


佐世保最終日5R


 梶原大地が強敵を退け押し切る。

 2日目8R、梶原大地は、ジャン付近で一気に上昇してきた関根健太郎に対抗できず、いったん4番手まで後退。そこからすかさず反撃に出たが、関根に大きくブロックされたこともあり、7着に終わった。初日4Rは先手を取ると最後まで主導権を譲らず、是永幸寛の勝利に貢献。「自分のレースができたのは良かった」と自信を持って臨んだ準決勝も残念な結果となり、予想もしなかった大敗を喫し、レース後は「(関根を)前に出すつもりはなかったんですけど…」と悔しさを隠せなかった。

 準決の関根に続いてこのレースでは、竹山慶太と対戦する。近況のバック数は20本で、準決で5着になるまでは5連勝していた、まさに強敵。その番手には初日特選メンバーのベテラン・三住博昭がつけ、勢いに乗る若手を強力に援護する。これに対して梶原は、三住と同じ初日特選メンバーの西田大志と米嶋賢二でトリオを結成。竹山にすんなりいかれてしまっては打つ手がなくなってしまう可能性が高い。先手、先手に攻めていき、ライン3車の厚みも生かして、うまく封じ込めてたいところだ。

 3番手を固める地元・米嶋のためにも、ここは不甲斐ない走りはできない。梶原の激走による押し切りに期待して、車券は西田への❻❶から❺❷❸❹と別線だが力で竹山への❻❺から❶❷❸❹と三住が伸びての❻❷から❶❺❸❹を狙ってみたい。


佐世保最終日9R


 佐々木翔一の捲りに期待。

 2日目8R準決勝、佐々木翔一は田中陽平、関根健太郎、梶原大地が3車併走状態になってもつれたところを、最後方から一気に捲って1着となり、初日から2連勝で決勝に進んだ。レース後は「前(田中、関根、梶原)があまりかかっていなかったので、行けると思って(捲りに)行きました。仕掛けがちょっと遅れ気味になったけど、冷静に走ることができました」と納得の表情だった。

 直前の1月高知まで4場所連続で決勝を逃すなど物足りない走りが続いていた。あまり良くない状況を少しでも好転させたいという思いもあって「1月の小倉あたりからは、前に回る人が誰もいなかったり行けるチャンスがあれば、もっと積極的に自分で動いていくようにしている」という。初日は地元・井寺亮太のやる気を買って番手に回ったが、2日目は少しでも自分で勝負できるようにと梶原―田中の福岡勢とはあえてタッグを組まず、それで見事に結果を出して見せた。

 決勝も勝部貴博―桑原亮の福岡勢の3番手には回らず、準決と同じように1人で戦うことを選択した。水森湧太―佐山俊樹―大竹哲也でまとまった東勢に対するためには勝部―桑原と連係したほうが有利に思えるが、佐々木はいまのいい流れを変えたくないと、福岡とは別線で勝負をかける。

 水森は初日2着、2日目は1着と上昇気配を見せている。これと近況のバック数が15本の勝部が激しくやり合うのは確実。初日特選2着の増原正人も何かしかけてきそう。この2日間の走りを見る限り、脚の状態は良さそうで、久々の美酒を味わうチャンスは十分にあるはずだ。

 佐々木の1発に期待して、車券は力で桑原への❸❶から❺❹❷を中心に、水森を利する佐山が浮上しての❸❺から❶❹❷と、水森が逃げ残っての❸❹から❶❺❷も狙ってみたい。(内川 統詔)