一丸尚伍がV候補筆頭だ。今期はここまで8場所を戦い、3月武雄❷③❶、4月高知❸①❶、直前の5月小倉❻①❶と3Vをマーク。また1も決勝を逃しておらず、安定感は際立っている。7歳から自転車競技を始め、社会人時代にはナショナルチームで2017年ワールドカップチームパシュート2位、2018年アジア選手権同1位になるなど、輝かしい実績を積み重ねた。競輪選手養成所での在所成績は7位。その実力がいよいよ本格化しつつある。持ち味の地脚を生かした先行力は強力で、A級では間違いなくトップクラス。久留米のバンクでも存分に鋭脚を発揮して、来期S級での戦いへ弾みをつける。

 九州勢では中川聖大の走りにも注目。5月武雄決勝は同じ熊本の新人・半田誠の後位から豪快に捲って優勝。2月には小倉と大垣で2場所続けて完全V。先行と捲りを臨機応変に使い分ける柔軟な走りが持ち味で、実力的には今期4度目の優勝も十分に狙える。近況は番手で戦うことが増えている島村匠だが、勝負所で放つ威力は十分。久しぶりの地元開催に気合も入るはず。九州勢には一丸、中川、島村に池部壮太(31=大分)ら動ける選手が多いだけに、マーク巧者の田中洋輔と2006年の全日本選抜競輪を制した実力者・合志正臣にもチャンスがありそうだ。

 北勢では房州輝也、相笠翔太の福島コンビ、特に房州に要注意。今期はまだ優勝はないが比較的安定して決勝に進出できており、直前の弥彦では❶②❷の好結果を残した。前期の昨年12月奈良で完全Vを達成。流れが向けば優勝できるだけのポテンシャルがあるとみる。先行力がある三浦翔大(33=宮城)が勝ち上がって連係できる展開になるのが理想だが、逃げ、捲りの決まり手がある自力兼備の選手だけに、しっかりとした目標がなくても軽視は禁物だ。

 蒋野翔太と富弥昭の中四国勢も侮れない存在。特に蒋野は近況のバック数が2ケタを超えており、3月には平塚で優勝。前期S級の実力は侮れない。宮下一歩は積極的な走りが決まったときの破壊力はかなりのもの。今場所は関東勢が少ないだけに、山田幸司、桜井丈ら南関勢との連係で活路を開きたいところだろう。


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