上位クラスを迎えたA級戦は波乱含み。それでも今年6Vをマークしている坂田康季(26=佐賀)の存在が際立つ。今期は7月久留米から7場所を消化し、8月佐世保、同月岸和田、そして完全Vを飾った直前の玉野を制した。特筆すべきは7場所20走(8月武雄最終日は中止)のうち着外に沈んだのは7月岐阜の初日特選のみで、あとの18走はすべて確定板に載っている安定感だ。

 3連対率は96%を超え、いかにファンの車券に貢献しているかが分かる。現在A級第2位と堂々の成績を残している坂田はレインボーカップA級ファイナル(12月=佐世保)の出場権をほぼ手中に収めている。新走路の熊本は初出走。何かとクセのあるバンクのようだが、そんなことお構いなし。破壊力満点のタテ脚でV戦線をリードする。


 地元代表格の松岡孔明(42=熊本)が坂田との連係で逆転をもくろむ。S級から降格した初戦の7月久留米では前述の坂田マークから差し切り、久しぶりのA級Vを飾った。さらに前々回の武雄も❻②❶で制し、健在ぶりをアピールした。好相性の坂田とセット配分なら松岡のやる気も倍贈することだろう。

 ベテラン加倉正義(53=福岡)もまだまだ元気。目標に左右される面は否めないが、差し脚とハンドルワークは確か。坂田―松岡―加倉の並びが成立すれば九州勢に軍配が上がる。

 中部近畿勢を牽引するのは伊藤稔真(27=三重)だ。S級から降格した今期6場所のうち、7月豊橋決勝を捲りで制した。ムラ駆けだが、ツボにはまると一気にハナに立てるだけのパワーを持つ。

 上げ潮坂田を相手にどこまで抵抗するかがカギになるが、伊藤の底力も侮れないものとなる。増原正人(41=広島)もV圏内だが、近況はすっかり追い込み型に転身し、スピードある捲りすら封印している。目標次第と言えるが、中四国に上位に通用する先行型が見あたらない以上、評価を下げざるをえない。


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