コンセプト 

 市民に親しまれ交流の輪広がる競輪場

 地元の山口支部が誇るエース・清水裕友が大会5連覇を達成した22年11月の開設73周年記念を最後に本場開催がストップし、施設整備に入っていた防府競輪場。総工費約29億2700万円をかけてリニューアルし、10月1日にオープンを迎える。

 〝市民に親しまれ、自転車を通じた交流の輪が広がる競輪場へ〟をコンセプトに、施設が整備された。大きな目玉は2点。「メインスタンドの建て替え」と「KEIRINパークの新設」だ。

◇防府競輪場・メインスタンド新旧比較◇

項目
鉄骨造構造RC・鉄骨造
3階建て階数4階建て
46.8㍍横幅50.4㍍
21.1㍍(1階)奥行き20.4㍍
18.635㍍高さ18.5㍍
259席
1階102席(車いす席2席含む)
2階102席(一般、車いす席2席含む)
40席(有料、車いす席1席含む)
3階グループ室3室
(1室定員5名)
座席数1009席
(観覧席のみ)
831人収容人数5907人

 まずはメインスタンドから紹介しよう。従来の4階建てから3階建てとなり、すべての来場者に利用しやすいようにユニバーサルデザインが導入された。1階は全体的に白色を基調として、明るく開けたイメージとなっている。これまではなかったバリアフリートイレや子ども専用トイレ、授乳室も新設。

 フードコートには、サイクルシアターにあった食堂が移動し、カフェや軽食が楽しめてテイクアウトもできるコーヒーショップが加わって2店舗がファンを待っている。

 インターネット投票のシェア拡大も踏まえて、観覧席が1009席から259席に、収容人数が5907人から831人に、と大幅に削減はされたが、スタンドを最大限バンクに寄せて本場のレースを至近距離でド迫力に楽しめる。コンパクトで臨場感あふれる構造となっている。

 1階は車いす席2席を含む102席。もちろんスタンドとバンクの間の〝金網前〟で選手を間近に観ることもできる。2階は一般席が車いす席2席を含む102席、有料席が車いす席1席を含む40席。列ごとにきっちりと段差が設けられ、どの場所からでも見やすい造りだ。

 3階は1室の定員が5名で、有料のグループ室が3室。仲間と一緒に、上から見下ろす優越感にひたれるぞ。場外発売時に利用できるカウンター席も13席ある。ゆったりとした空間で車券戦術を楽しめるだろう。有料席は各席にモニターが完備され、ドリンクサービスもある。

◇防府競輪場・有料席について◇

席種本場開催場外発売発売座席
メインスタンド2階特別観覧席1000円500円40席
メインスタンド3階特別観覧室5000円無し3室
メインスタンド3階特別観覧席無し1000円13席
サイクルシアター特別観覧席300円200円68席

 メインスタンドの上にはソーラーパネルが設置されて、太陽光でスタンドすべての電気をまかなえる。LED照明も取り入れて、カーボンニュートラル(二酸化炭素など温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、その排出量を「実質ゼロ」に抑える、という概念)にも配慮。環境に優しい施設になっている。これまでになかったエレベーターも新設された。急ぎの時、足の状態が良くない時などを考えるとうれしい限りだ。

 スマホでキャッシュレス投票ができる「DOKOTO(ドコト)クラブ」の新規会員も募集中。入会金や年会費は無料で、銀行口座も不要。1階と2階にある入金機で現金をチャージすれば、自身の席から動かずに投票が可能に。

 投票締め切り時間は本場と同じで、並ぶことなく、民間ポータルサイトよりもぎりぎりまで購入できる。もちろん、払戻金はチャージ機にて現金で受け取れる。登録日にICカードが発行され、その日から利用が可能。いまなら登録日に1000円分のポイントプレゼントも。

 駐車場にも変化が。収容台数を減らして幅を増やして駐車スペースの安全面を考慮。以前の駐車場入り口は〝危ない〟の声も上がっていたため封鎖し(歩行者は入ることができる)、こちらも安心して利用できる造りになった。


家族で楽しいKEIRINパーク


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