GⅢ先行予想

王者の走りで突破

古性優作

 豪華な顔ぶれとなった今シリーズ。主役は「KEIRINグランプリ2024」を制した王者・古性優作だ。年間獲得賞金は3億8千万円超えで、公営競技史上最高額を更新した。

 新春1発目となった西日本の今年最初のグレードレースである和歌山グランプリ(GⅢ)も❸2①❶着で優勝。「疲労が抜けず4日間、苦しかった」と本来の姿ではなかったが、それでも本番ではきっちり結果を残したのはナンバー1の証明と言えよう。どんなメンバーでも対応する〝オールラウンド〟の究極の走りで連続Vを狙う。

 自在に動ける山田久徳が古性との近畿タッグ。前走の大垣FⅠ戦は本調子と言えぬが、気合で古性を好追する。ダッシュマンの福永大智は負傷明けの影響がなければカマシ、捲りで大暴れか。


 中部地区の記念とあれば浅井康太が気迫の走りを見せるに違いない。勝負どころでは切れの良い捲りを放つなど自ら動いても強いが、中部の機関車役をもり立てての好位戦を展開なら勝機はある。

 冬場になってパワー充電完了の皿屋豊を筆頭に、負傷明けから復活期す谷口遼平、強引無類の村田祐樹、さらには志田龍星と目標には事欠かない。3大会ぶりの当地記念優勝へ燃える。

 南関勢が強力ラインナップだ。1年でS班に復帰を果たした郡司浩平。スピードの加速力は競輪界でも指折りのさえがある。自力主体に、番手戦もこなす強み。深谷知広との南関タッグは他派の脅威となる。その深谷の爆発的なパワーは見事という他はない。郡司とあ・うんの呼吸でのワンツー決着は十分ある。

 初のSS班の座をつかんだのが岩本俊介。昨年は前半戦で11連勝を飾るなど快進撃。4月のGⅠ・日本選手権では準Vの好成績。その後は度重なる落車に見舞われたが、獲得賞金9位で最後的にベスト9の仲間入り。持ち前のダッシュ力を生かした強烈なカマシ、捲りが持ち味だが、郡司、深谷と同乗なら追い込みで浮上も考えられる。

 5年間在籍したS級の座から陥落した佐藤慎太郎だが、「勝ちたいという気持ちを忘れずに精進する」と48歳になっても意気軒こう。直前の大垣FⅠ戦は番手で仕事してきっちり3連勝。安定感はさすが。機動力を生かして健在ぶりを示す山崎芳仁ともにベテランの意地を見せたい。

 自在脚は上位にも引けはとらない山田庸平。体調を崩して1カ月半近くのブランクがあるが、支障がなければ怖い。二の脚、三の脚が使える阿部将大の強靱(きょうじん)なパワーも魅力がいっぱいだ。マークさばきだけでなく、切れの良い差しを秘める岩津裕介。近況は復調感があり、好走の場面は要注意と言える。  



スポニチロゴ