〝23年の前期にS級に昇格した松尾勇吾は昨年一発目の大宮GⅢで失格を喫し、その後も点数を巻き返せず今期、無念の降格となったが、久しぶりのA級2場所は高知❶①❸、防府❶①❸と安定した走りを見せた。2年間、S級でもまれているだけあって、このクラスではひと際光る存在だ。差し脚は問題ない。

 今回は後輩の河崎正晴と連係できるので、気合が入って当然だ。前回りする河崎は昨年、持ち味のスピードを生かし6Vを飾るなど本格化しつつある。昨年、河崎は3月と12月の当地戦で決勝に進出しバンクの相性もグー。抑えて駆けるタイプではないが、かまし、捲りの破壊力は今すぐにでもS級で通用する。松尾が付く以上、河崎の仕掛けは普段より早い。熊本コンビがワンツーを目指す。

 さらに降格後のA級を連覇中の稲吉悠大(38=福岡)がライン参加するのは大きい。稲吉は失格によるマイナス点で5年間守り通したS級から陥落しているが、直前の熊本では3日間、谷口力也(119期)の番手回りから完全Vを飾った。「展開がすべて。谷口君が連日、積極的に仕掛けてくれたから勝てた」。コメントは控えめだった、勝ちパターンをきっちりモノにするあたり決め脚は確か。河崎―松尾―稲吉でラインを結成。いかにも強力な陣容だ。いずれにしても九州勢が中心となるだろう。

 この九州ラインに挑むのが鈴木謙太郎(40=茨城)だ。当地は福島籍だった2010年の60周年記念を4連勝で制した実績を持つ。昨年暮れの前橋、今年仕事始めの取手を連覇するなど気配は上々。こちら鈴木もかまし、捲りが最大の武器。特に捲りのスピードは前述の九州ラインを一気に飲み込むだけの破壊力がある。

 昨年S級に在籍した長井妙樹(36=東京)も圏内だが、同年11月の四日市GⅢで落車し5場所を欠場。今年一発目の玉野で決勝進出を逃がすなど体調面が気になる。

 中四国は好調・野崎将史(38=岡山)がV争いに割って入る。今年初戦の名古屋を完全V。京王閣①①❷、直前の熊本も❹①❹と3場所連続で優出中と動きは鋭かった。捲り兼備の野崎が波乱を演出する。


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