〝南関の超特急〟
岩本 俊介
南関の超特急こと岩本。持ち前のスピードは競輪界でも屈指の存在だ。
直前の共同通信社杯(GⅡ)では、3日目に後位の和田真久留にゴール前でかわされたが、取鳥雄吾―小川真太郎の逃げを好回転の捲りで捕らえている。最終日には再び捲って宮本隼輔に乗った清水裕友のけん制を受けるも、踏み続けて2着。最後までS班清水を苦しめた。未勝利に終わったものの、大舞台で成績以上のインパクトを残した。軽快な動きには確かな裏付けがある。
「青森記念(ブロックセブン)で新車に換えました。自転車の感触はいいし、練習の成果も出ていて体も動いている。奥さんの食事の管理で体は軽いです」
新しい武器の投入が見事に当たったのもあるが、日頃の鍛錬の成果も表れていて自慢のスピードに磨きがかかっているのが見てとれる。組み立てこそ単調な部分は否めないが、踏み出しからトップスピードに上がるまでの早さも向上していて、課題であった末脚の甘さも改善しつつある。
常に進化を続け安定感も増している。攻撃力だけならS班もおびやかす存在で、迫力満点の攻めは必見。記念戦線での優勝は11年「取手記念代替in松戸」のV以来久しく縁はないが、現状のデキと自信にあふれた走りを見れば2度目のGⅢ戴冠へ機は十分熟している。
今回も随所で剛脚を披露して台風の目となり、8年ぶりの記念Vへ猛スパートだ。