貴子 誓う故郷でガルコレ4V |
生まれ故郷のバンク・大垣で石井貴子が勝負強さを発揮してガルコレ4Vを目指す
昨年12月のガールズグランプリ。出場前から大きなプレッシャーを感じていた。直前のレースでも練習でもケガをして迷惑をかけてはいけない。「大変でした」と振り返る。
レースは冬場にしては風もなく、バンクの状態は軽い絶好のコンディションンで行われた。けん制が続く中で高木真備が先行、圧倒的な人気を集めた児玉がまくり、後ろに続く形になった石井は4分の3身届かず2着に終わった。
「取りに行っての勝負で惜しいところまで行けたけど、あくまでも勝つのは1人ですから。2位以下は同じです。自分の脚力がなかったんです」
昨年、大きく飛躍した児玉の前に初の女王になることはかなわなかった。
気持ちを切り替えて迎えた新年の初戦川崎は決勝4着でのスタート。以後の3シリーズも続けて決勝2着が続く。決してリズムは良くなかった。しかしガールズコレクションを迎えるにあたり直前の2シリーズはどちらもVとしっかり調子を上げてくるのはさすがだ。
ガールズコレクションは過去に3回のV。これは最多5回の小林優につぐもので一発勝負に強いところをうかがわせる。とくにファンが印象に残っているのは2018年の平塚だろう。レースは児玉を追い込んでのVだったが、表彰式では平塚恒例のシャンパンシャワーでシャンパンを一気飲み。ふだんは飲まないそうだが「次に勝ったら絶対に飲もうと決めていました」。クールな石井らしからぬ一面も見せた。気分転換に近くの温泉に行ったりすることもあると言う。それでもハードな練習が日々の日常だ。
今回の大垣は岐阜出身の石井にとって生まれ故郷のバンクでもある。
「今、岐阜に帰るのは開催の時ぐらいですが、親しみのあるバンクなのはもちろんです。地元の松戸は緊張するし準地元でちょうど一番いい感じです」
故郷で開催されるビッグレースに気持ちも高まってきた。
レースを迎える時に思うところがある。
「車番、メンバーを見てなんとなく4パターンぐらいは考えます。でも実際のレースは全然違う。どうせは7分の1なんです。あとはその時の状況に応じて自分に何ができるか。死ぬ気でゴールするだけ」
ガールズは男子と違いラインはなく7人が単騎の走りになる。それだけレースのパターンは増える。とくに脚力が接近するガールズコレクションでは、ほぼ展開を予想するのは不可能だろう。くわえてガールズ特有のディスクホイールの種類のよっても反応が違うのだからやっかいだ。レースから離れた時に他の選手のレースを予想をしてみるが「全然当たらない」と笑う。
今回は児玉、小林の2強対決に注目が集まるが「相手の事は気にせず伸び伸びとやりたいです。大きな舞台ですが行けるところから行けるように自分の力を出し切ります」
思いが7分の1を超えての勝利へ導く。
♡石井 貴子(いしい・たかこ)1990年(平2)2月17日生まれの29歳。競輪学校106期3位で2014年5月14日西武園でデビュー(11❶着)学生時代はアルペンスキーで活躍。OLを経て競輪選手に。自在の走りを武器にガールズトップ選手として活躍。