女子レーサーの日本一を決定する「ガールズグランプリ2017」は28日、優勝賞金1000万円(副賞含む)を懸けて平塚競輪場で行われる。1~9月の選考期間内の成績上位となった7選手による一発勝負。今回の特集は5年連続5回目の出場になる石井寛子(東京)に熱視線。心技体ともに充実期に突入した31歳が、経験値の高さを武器にして悲願の栄冠を目指す。

 

 

<石井寛子 京王閣の小悪魔・今年こそクイーンに!>

 

 20日の前夜祭は両肩を露出したシックな黒のドレスで登場。「〝小悪魔〟にちょっと強さを入れてブラックにした。他の6人は華やかですね」。石井は落ち着き払った表情。闘志は内に秘め、5年連続5回目の大舞台に挑む。

 2期生No・1の実力者はメンバー最多タイの出場経験が大きな強みになる。賞金女王を決める年末決戦は独特の緊張と重圧に苦しむ選手もいるが「前夜祭も含めて雰囲気は結構、楽しんでいますよ。緊張とかは大丈夫です」。レーススタイル同様に冷静沈着。焦らず余裕を持って大一番に臨めることがプラス材料だ。

 選考期間の9月までは賞金加算に神経をとがらせた。ビッグレース優勝こそないが、春先から夏場は高い勝率をキープ。激しい賞金争いに競り勝ち出場権を手にした。本番までは1カ月近くレースが空いたが不安要素は全くない。「12月は走らずにグランプリだけを意識して調整する。レース続きだと脚だけでなく心が疲れてしまう。レースを走るたびにそこで流れが途切れてしまいますから。オフも入れつつグランプリだけに気持ちを向けてしっかり仕上げていく。このやり方で2年前は2着。去年は4着だけど自分の状態は悪くなかった。今年も同じ調整でいい状態に持っていきたい」。ここ一番の調整法は手の内に入れている。シャープなタテ脚を時間をかけてじっくり研ぎ澄ませている段階だ。

 湘南バンクは14年7月以来。初出走はデビューして間もない13年春で、その時は優勝している。「平塚は好きなバンク。久しぶりでも走りやすいのを覚えているので、そこは問題ない。初出走時は体調を崩してコンディションが悪かったのに優勝できましたから」。勝つイメージだけを脳裏に焼き付け、いざ決戦の地へ向かう。

 「今年が今までで一番いい感じで臨めそう。過去4回の経験があるのと、10月愛媛国体のチームスプリント(第1走)で自己ベストのタイムが出せたんです。練習の成果が出て、強くなっていることが分かると自信になる。あとは勝つために必要な差し脚の切れも磨いて。展開と自分の勝ちパターンを考えて、そこに持っていければ結果は出せるんじゃないかな。(5回目の挑戦で)そろそろ(優勝)って思います」

 精神面は充実。脚力、技術面もピークに持っていく自信がある。デビューから〝京王閣の小悪魔〟と呼ばれた31歳。クイーンの称号を獲りにいく。

 

<児玉碧衣 悲願の初タイトルへ>

 

 悲願の初タイトルはここでつかみ取る。今年もビッグタイトルに手が届かず、もどかしい1年を過ごした。だが今年の優勝回数「17」は断然の数字。児玉の評価は下がらない。「去年のグランプリで負けて初めて悔しい気持ちを知った。練習に取り組む姿勢が変わったし、レースではなるべく長い距離を踏もうと意識した。順調に練習ができているし、いい調子で本番を迎えられそう」。脚力&スピードがガールズトップだということを証明する最高の舞台にする。

 

<奥井迪 得意の逃げにこだわる>

 

 昨年惜しくも2着に敗れた奥井。今年も徹底先行を貫いて出場権をつかみ取ったが「サマーナイトの前後ぐらいは先行に自信をなくしていた」と振り返る。それでも逃げにこだわることで自分の殻をぶち破った。「8月和歌山の予選で1周タイムで自己ベストが出た。まだ伸びしろはあるのかな。スタイルを崩さずに自分にしかできない走りにこだわろうと思った」。自分を見つめ直したことで、一回りも二回りもパワーアップ。玄人好みの強引先行スタイルで迷わず突き進む。

 

<梶田舞 史上初の連覇へ>

 

 昨年女王が狙うのは史上初の連覇&3Vの快挙だ。「去年は絶対に勝ってやる!という気持ちで走ったが今年はリラックスして落ち着いた気持ちで臨みたい」。3月にガールズ新記録となる24連勝を達成。それでも「去年日本一になり、越えるのが自分しかいなかった。1年を過ごすのが難しかった」と本音を吐露する。大一番は「自分の中で最高の状態に持って行けるようにしたい」。状況に応じて的確に対応できる強みを最大限に発揮。女王の座は誰にも譲らない。

 

<長沢彩 冷静かつ大胆に>

 

 ただ1人初出場となる長沢は「目標にしていたガールズGPを4年目にして走れる。その気持ちを精いっぱいぶつけたい」と気合を込めた。初制覇した5月ガルコレ(京王閣)は勝負どころをしっかり見極めて最後に末脚を爆発。ワンチャンスをしっかりつかみ取った。その後も自慢の機動力を磨きながら安定した活躍。「去年は波もあったが今年は一番安定していたと思う」と胸を張った。失うものは何もない。冷静かつ大胆に攻めた先に初出場初Vが待っている。

 

<高木真備 〝ど根性娘〟逆境跳ね返す>

 

 予期せぬアクシデントがアイドルレーサーを襲った。高木は直前のいわき平で落車の憂き目に遭った。前夜祭では「たいしたケガじゃない。練習ができているし体調は問題ない」と軽傷を強調。一発勝負のガールズドリームレース(いわき平)を落車明けで制した〝ど根性娘〟は、逆境をはね返すだけの精神力と勝負強さを兼ね備えている。「去年負けた悔しさを糧に頑張ってきた。自分らしい走りができるように」。女王決定戦で磨き上げた自慢のスピードを見せつける。

 

<尾崎睦 地元開催「絶対に優勝する」>

 2回目のGP出場だが、今年に懸ける思いは人一倍だ。「今年は地元平塚。何が何でも出場する。その思いで1年間走ってきた。7番目以内に入ることだけを考えた」。最低ノルマをクリアしても集中力は途切れていない。「去年は出ることで安心してしまったが今年は結果を出す。地元だし絶対に優勝する」と力強く言い切る。ビーチバレーのプロから転向して今が旬。練習で何周も駆け抜けた湘南バンクは誰よりも熟知している。最高の仕上がりで最速の機動力を発揮する。