5月2日決戦
「ガールズケイリンコレクション2019松戸ステージ

 

佐藤水菜 力の源は父のおむすび


 ガールズ114期の〝一番星〟が佐藤水菜(みな、20=神奈川)だ。日本選手権3日目の5月2日に行われる「ガールズコレクション2019松戸ステージ」に出場する期待のルーキー。初出場となるガルコレの大舞台で鋭脚を発揮する。
 
 文字通り、ガッツの塊だ。
 
 ガルコレ初出場に向け、佐藤は川崎競輪場を拠点に汗を流してきた。男子選手に交じって周回練習。根性で食らいつき、最後まで離されることはなかった。
逃げてもよし、まくってもよし。魅力あふれる自在型として強さを発揮し、ファンも急増中だ。
 
 「去年のクリスマスに走った松戸は(①④③と)いいイメージがないけれど、今回、自分でいいイメージに変えたい。風を切るのが好きだが、戦法にはこだわりはない。自分が輝いていられるように自信を持っていく」ときっぱりと言い切った。
 
 114期は在校1位の柳原真緒(21=福井)、ゴールデンキャップ賞を獲得した日野未来(26=奈良)ら逸材ぞろい。その中で、佐藤は在校成績5位ながら昨年7月の川崎で同期に先駆け優勝。ただ1人、小倉のガールズGPトライアルにも出場した。強豪ぞろいの中で①②②と結果を出し、決勝で児玉碧衣(23=福岡)を破っていればGP出場だった。
 
 迎えた今年1月のガルコレトライアルレース(川崎)を制し松戸への出場権を獲得。着実に成長した姿を見せている。
 
 神奈川県茅ケ崎市出身。中学でソフトテニス部、高校では軽音楽部。ドラマーとして、歌手大原櫻子(23)、YUI(32)らの楽曲を演奏していたが、その一方で自転車競技経験がある父・研一さんの影響も受けた。
 
 「東京タワーや東京スカイツリー、山中湖など、行けるところは自転車で行きました」と振り返る。高校時代に平塚競輪場で尾崎睦(34=神奈川)と一緒に走ったことが契機となりガールズ選手を志した。
 
 デビュー後は新人らしいフレッシュな走りでスタンドを沸かせているが、その力の源は、研一さんが毎日手作りしてくれるおむすびだ。早朝に家を出て、午前6時半から自転車に乗る娘のために、具材たっぷりのおむすびを用意。「おいしいです!」と佐藤はうれしそうにほおばった。
 
 「レースではピークに持っていけているが、練習ではまだまだ弱いので。川崎には夏にデューするガールズの後輩(高木佑真)がいて、とても強いので負けたくない」と向上心を持ち続ける。まずはガルコレで結果を残し、ファンにアピールする。
 
○…佐藤のオフの息抜きはアミューズメントスポット通いだ。ガチャブランド「パンダの穴」の人気商品「シャクレルプラネット」が大好き。絶滅の危機を乗り越えるため、アゴを進化させた「シャクレルプラネット」の動物たちを求めて、アミューズメントスポットをめぐっている。取材日は「シャクレルウサギ」を持参し、写真撮影で一緒にポーズを決めた。 
 
○…「ガールズコレクション2019松戸ステージ」にはガールズGP女王・児玉を筆頭に尾崎、石井寛子、高木真備、小林莉子の東京トリオ、田中まい(千葉)が出場する。児玉の強さは目を見張るほどだが、佐藤は挑戦者として先輩レーサーにぶつかる。 
 
♡佐藤 水菜(さとう・みな) 1998年(平10)12月7日生まれ、神奈川県出身の20歳。アマ時代から自転車競技で活躍し、国体チームスプリント8位、JOCジュニアオリンピックスプリント2位など。1㍍63、63㌔。血液型A。