「スピード見せつけられるように」 |
小林優香 |
「名古屋決戦」を控え、小林の闘争心に火がついた。
「昨年より出走数が少ない中でファン投票2位はびっくりしているし、素直にうれしかった。私は忘れられていなかったのだなと思った」と照れたが、レース展開について聞くと表情がキリリと引き締まった。
「速い展開になると思うが、自分の戦法は決めたくない。ここぞと思った時の判断が国際レースでも重要になってくる。判断だけを間違えないように、スピードを見せつけられるようにしたい」と言い切った。
高校までプレーしたバレーボールから転向し14年5月にガールズケイリン選手としてデビュー。以来209戦189勝、通算61V。90・4%という圧倒的な勝率を誇る。
その強さから自転車競技でも日本のエースとして活躍。昨年12月のW杯第3戦(ベルリン)女子ケイリンで銅メダルに輝くなど、来年の東京五輪でも表彰台が期待される逸材だ。
現在はナショナルチームのメンバーとして汗を流しているが、満を持して参戦する「ガールズコレクション2019名古屋ステージ」では力の違いを見せるはずだ。
ガルコレは昨年3月の松山、今年3月の大垣で優勝と実力発揮。特に大垣では、同門の後輩で昨年のガールズグランプリ覇者、児玉碧衣(福岡)に2車身差をつけた。「周りを見る余裕もあったし、落ち着いて臨めた」と振り返った。
今回の会場となる名古屋についても「バックからスピードが乗せやすい。長い距離を踏める選手に向いている」と分析する。
その「長い距離を踏める」ことが小林の武器だ。同じスピード持続型の脇本雄太(福井)がナショナルチームの一員として在籍。「脇本さんが近くにいて、その大先輩を見ながら練習できるという環境にいる」と刺激を受け、武器に磨きをかけている。
文字通り、ケイリン界の「至宝」となった小林が、名古屋でも輝く姿を見せる。
♡小林 優香(こばやし・ゆうか) 1994年(平6)1月18日生まれ、佐賀県鳥栖市出身の25歳。14年5月デビュー。通算209戦189勝、61V。15年ガールズグランプリ優勝。14、15年ガールズ最優秀選手賞。競技では昨年12月のW杯第3戦(ベルリン)女子ケイリンで銅、今年1月のアジア選手権女子ケイリンで金、6月のモスクワGP女子ケイリン金、女子スプリント銀、サンクトペテルブルクGP女子スプリント銅。師匠は藤田剣次(福岡・85期)。ホームバンクは久留米。1メートル64、64㌔。