いわき平競輪GⅠ「第61回オールスター競輪」レース展望
いわき平競輪GⅠ「第61回オールスター競輪」が、15日から19日までの4日間開催される。人気と実力を兼ね備えた輪界のTOP選手が一堂に集結、激戦が予想される。
注目は地元のS班、新田祐大と渡辺一成の連携。昨年は渡辺が優勝したが、新田も今年2つ目のGⅠタイトルを狙う。そのほか、GⅠ3連覇がかかる三谷竜生、ナショナルチームで鍛えたスピ―ドで圧倒する脇本雄太をはじめ、関東の平原康多、武田豊樹をはじめ歴戦の猛者たちが熱い走りを見せる。
<新田・渡辺 地元S班強力連係>
昨年と同じく、舞台はいわき平。2度目のオールスター競輪制覇へ、ファン投票1位の新田祐大が地元バンクで実力を発揮する。前回ビッグの7月松戸サマーナイトFは不出場。6月岸和田高松宮記念杯以来、本業の競輪では約2カ月ぶりの実戦になる。競技に重点を置きつつも、ここに懸ける思いは強いはず。昨年は渡辺一成と地元ワンツーが決まったが差されて2着。ファンからの厚い支持に応えるためにも、今年こそ表彰台の真ん中に。勝つことだけをイメージして仕掛ける。
渡辺が再び新田と地元GⅠでS班連係。差し切り逆転を目指す。前走サマーナイトFでは新田が不在だった中で菅田壱道と連係したが、最後は自力で踏み込んでV奪取。ここでは強烈に出る新田にピタリと続き直線勝負。連覇を決めるべく、ゴール前で鋭く差し迫る。
<関東はファン投票2位平原が軸>
関東はファン投票2位の平原康多が中心。前走弥彦記念では準決で不覚を取り4着も、その他の3走は1着。動き自体は悪くなかった。昨年2月取手全日本選抜以来となるGⅠ優勝へ、自在な走りで強さを見せる。
関東地区のS班でオールスター3勝目を狙うのが武田豊樹。前走松戸記念での落車は気になるが、1年ぶりにGⅠ決勝進出を果たした高松宮記念杯同様にベスト9入りを意識。しっかりと存在感を示す。
その武田と高松宮記念杯決勝で競り合ったのが木暮安由。一転、7月福井記念の準決では武田と連係し、前で先行した。ここではどのような走りを見せるか。V候補の1人として動向が注目される。
<近畿はGⅠ連覇の三谷が中心>
近畿の軸はダービー、高松宮記念杯と続けてGⅠを制覇した三谷竜生。ただ、前で強力にラインを引っ張るハイスペックなエンジンが脇本雄太。平塚ダービーは3着で、高松宮記念杯は2着。後ろにかわされることを恐れずに自分のスタイルを貫き、ここも積極先行で勝負。〝三度目の正直〟へ加速する。三谷は脇本を差してVならGⅠ3連覇の偉業達成となる。大将格の村上義弘も通算7回目となるGⅠ制覇に燃える。
中部はS班の深谷知広、浅井康太と、上昇気配の竹内雄作。3人はサマーナイトFでそろって決勝に進み深谷―竹内―浅井で連係。また、昨年の当地オールスター決勝でも同じ並び(4番手に坂口晃輔)で上位独占に挑んだが、いずれもライン全体としては好結果を残せなかった。その分もここでは気合が増す。
【そのほか注目選手】
<中四国・原田 九州・山田英もV候補>
四国のV有力候補は原田研太朗。高松宮記念杯で決勝3着に入り、GⅠで初めて表彰台に。前走立川FⅠでは貫禄の完全V。勢いに乗ってパワフルに仕掛ける。同県後輩で機動力ある太田竜馬、小川真太郎の存在も原田にとっては大きい。
九州では中川誠一郎の軽快さが目立つ。5月中旬以降、直近4回のGⅢ決勝で2着、1着、2着、1着。鋭いまくりがさえわたる。山田英明もまくりは強烈。今年のGⅠでは2月全日本選抜、6月高松宮記念杯で決勝に進出。初のタイトル奪取へ、好位置を確保して鋭く仕掛ける。
南関は千葉勢に勢い。特に山中秀将、和田健太郎、中村浩士が充実。根田空史、近藤隆司も自力で好走を見せる。
◎菅田壱道 直近2回のビッグ、高松宮記念杯とサマーナイトFで決勝に進むなど成績安定。当地では初出走時(07年11月)にA級でV。自在なスタイルで存在感を示す。
◎新山響平 北日本の若手期待の星。昨年の当地オールスターでは初日から大きな着が続き結果を残せなかったが、近況は積極的な走りで上り調子。地元地区のGⅠで今年こそ上昇機運に乗るか。
◎山崎芳仁 10年当地オールスターでV。兄弟子の佐藤慎太郎とワンツーを決めた。昨年もしぶとい走りで決勝へ。相性のいい舞台で期待度が増す。
◎吉沢純平 GⅠで通用するパワーを身につけ、決勝でも引き立て役では終わらない。V候補の1人として十分に期待が持てる。
◎村上博幸 当地では10年3月の記念でV実績。近況の好調さからも近畿の主力として活躍を見せそう。好連係から切れ味を発揮する。
◎稲垣裕之 16年1月当地記念でV。そのほかFⅠでも完全Vが1回。3月に落車してから失速気味だが、実績あるバンクで巻き返し成るか。
◎松浦悠士 巧みな位置取りと鋭いタテ脚が武器。当地は昨年オールスターの後にもFⅠに2回出場。バンクの特徴は把握しているか。決勝3着のサマーナイトFに続きビッグで好結果を目指す。
◎南 潤 2月FⅠ(①②❼)以来2回目の出走となる当地で初GⅠに挑む。サマーナイトFでは予選で敗れ上位に進めなかったが、ここでは快速ぶりを見せたい。同じ111期でGⅠ初挑戦の山崎賢人、松本貴治とともにヤングパワーが注目を集める。