10年目を迎えるガールズケイリン界にニューヒロインが誕生した。デビュー5年目の柳原が豪快に捲ってビッグレース初優勝。「ゴールした時の実感はなかった。4コーナーで伸び切って、そこでやっと勝てたと思った」。女王復権を狙う児玉が捲った上をさらに捲り切る離れ業。繰り上がりで出場権を手にした24歳は大チャンスをモノにして満面の笑みを見せた。
2度目のガルコレ出場も冷静沈着。柳原は最後方でチャンスを待った。「児玉さんが前の前。動かなくてもいい」。打鐘4角から尾方が逃げると2角から児玉がスパート。それと同時に柳原も踏み込み、最終コーナーで児玉をロックオン。ゴール手前でかわして歓喜のVゴールを駆け抜けた。
師匠の市田佳寿浩さん(76期、引退)と二人三脚でつかんだ悲願の優勝だ。師匠のアドバイスで1年前からウエート練習を2日に1回取り入れ「フィジカルが上がり、自転車が良くなった」。今回の作戦も授かっており、その展開がズバリ。師匠への感謝の思いを何度も口にした。
この優勝で賞金ランキング1位にジャンプアップ。目標のガールズグランプリ出場に近づいたが「守りに入らず攻めた姿勢でもっと優勝を重ねたい」。暮れの大一番に向け、さらに加速していく。
◇柳原 真緒(やなぎはら・まお)1997年(平9)5月18日生まれ、福井県福井市出身の24歳。敦賀高卒。陸上競技で五輪を目指したが体格の小ささから自転車に転向。通算268戦158勝。通算取得賞金は4331万円。主な優勝はガールズコレクションいわき平(22年)。西武の平沼翔太内野手は小中学校の同級生。1㍍64、68㌔。血液型A。