名古屋競輪の開場75周年記念「金鯱賞争奪戦 名古屋グランパスカップ(GⅢ)」は4日、12Rで決勝戦が行われ、深谷知広(35=静岡)が2コーナー捲りの郡司浩平を鋭く差して2月静岡以来となる今年2回目、通算23回目のGⅢ優勝を飾った。名古屋記念の優勝は初めて。2着は郡司、3着は地元の笠松信幸で大本命決着となった。4日間の総売り上げは72億2144万5400円。目標の63億円を大幅に上回った。

ゴール直後、自然とガッツポーズが出た。激闘を終えて待っていたのは割れんばかりの深谷コール。それに笑顔で応える深谷…。名古屋のファンが何年も待ち望んでいた光景がそこにはあった。
「愛知時代にはなし得なかった名古屋記念制覇ができて本当にうれしいです」
前でも後ろでも絶大な信頼を置ける郡司との連係。今回は初日特選から深谷が番手回りだった。
「作戦もスタートも判断も、全て郡司に任せていた。今回は地元勢(笠松、山内)とも連係できたし、ダービーでも僕と郡司は地元勢として迎えてもらえると思っています」
そんな深谷の粋な発言に「深谷、いつでも愛知に戻って来い!」とファンも大興奮。4月29日に開幕する第79回GⅠ日本選手権へ最高過ぎる布石を残した。
「静岡、豊橋、名古屋と気合が入る場が続いた。伊東のウィナーズカップも残っている。そこまでは気持ちを切らさず頑張りたい」
最高潮を迎えた深谷による新旧地元行脚は、まだまだ続く。(岡田 光広)
◇深谷 知広(ふかや・ともひろ)1990年(平2)1月3日生まれ。愛知県出身、静岡支部の35歳。96期生。通算1057走413勝。主な優勝はGⅠ2V、GⅡ4V。GⅢ優勝は今回が23回目。師匠は金子貴志(75期)。1㍍69、79㌔。血液型B。
♦次走斡旋 優勝した深谷知広は10~12日の取手FⅠ、2着の郡司浩平は20~23日の伊東GⅡウィナーズカップ、3着の笠松信幸は10~12日の久留米FⅠ。