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【記者コラム】「信頼」得るため競輪にも審議映像導入を

 「外帯線内進入はあるものの、落車との直接の因果関係はなく…」。寺内大吉杯決勝の審議説明。違反性はある、落車もした。でも、失格はない。疑問符が浮かぶ。ガールズGPも、あれ以上の〝ヨコ〟の動きは昨年何度も見た。確かに選手は縦横無尽に動くゆえ難しい。ただ、あまりに漠然としたジャッジが多いと感じる。昨今、ネット投票により急激に新規ファンが増えた。今はそのファンをもっと競輪に引き込むフェーズ。判定を明確にすることは、そのミッションを完遂するための「信頼」になる。

 そこで提言したいのが、動画サイトへの「審議チャンネル」設置だ。審議映像を流し、審判が判定を細かく説明する。また、ライブ配信でファンからの質問にも答える。ファンも審議映像を見て、直接説明を受ければ納得し「信頼」する。同時にジャッジの統一性も図れ、選手が見れば落車回避の技術指導、注意喚起にもなる。サッカーW杯も最新技術を取り入れたジャッジで、ケチをつけさせず。それが盛り上がりにもつながった。競輪にもVARを!とは言わない。ナーバスな部分ではあるかもしれないが、ファンの「お金」に直接関わること。もっと明確にしてほしい。

 昨年、競馬との二刀流記者に挑戦した。そこで驚きだったのは、JRAが記者に対して勉強会を行ったこと。ルール改定に伴うもので内容を細かく説明し、何を聞いても即座に対応してくれた。その目的は記者に向けてもあるが、一番は「ファンに向けて」。媒介者にきちんと説明することで、ファンの誤解を生まないようにする。主催者としての強い責任感を感じた。ファンの「信頼」はそういった先にあるに違いない。

 若造が偉そうに申し訳ありません。ただ、競輪の門を叩いたばかりの27歳が、こういう疑問を持っているということ。これだけでも届いてほしい。当然、記者も意見するだけではない。競輪という最高で、大好きなコンテンツを盛り上げるため、身を粉にすることを約束します。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の27歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪一本に。愛犬の名前は「ジャン」。毎年ミッドで〝除夜の鐘〟を聞き、正月開催で〝おさい銭〟を済ませる。

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