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【記者コラム】スピード絶対の流れは止まらない

 長かったゴールデンウイークも終わったが、期間中で競輪界の最大の出来事といえば脇本雄太のダービー完全Vだ。初日から圧倒的な強さを見せつけたのはもちろん、そのレース内容は今までの競輪競走を超越したものだった。位置取りは完全に度外視。最後方まで引いて自分のタイミングで踏み込み、けん制を受けない外側のコースを圧倒的なスピードでまくり切る。ライン戦は関係ない個人の力で勝ち取った勝利だった。

 

 この脇本の走りが成功するのはケタ違いの脚力があるからこそだが、今月31日が初日の開催から適用される新しい競技規則によっても、競輪の走りは大きく変わる。すでに紹介されているように先頭誘導員を追い抜くポイントが500バンクでは1周、400、333バンクでは半周遅くなりそれ以前では失格となる。早い段階から先頭に飛び出し、後ろの選手を引っ張る〝二段駆け〟を防止する狙いだが、多くのレースが行われる400バンクでは残りは800㍍しかない。強い若手の自力型ならそのまま持ってしまう距離だ。彼らが残り2周過ぎから飛び出せば、他のラインの先頭の自力選手のまくりが届くかどうかのレースになる。先のダービーで決勝戦のメンバーが全員自力型だったように、自力選手優位の流れは続いていたが、規則改正でさらに自力選手の走りがカギを握ることになる。

 

 今、来ている岐阜競輪では113期の藤根俊貴が準決勝で外国人選手を破った。同期の松井宏佑はすでにS級で2回のVを飾っている。彼らのレースでは後ろの選手は離れるか、付いていくのに精いっぱいだ。さらにパワーをつけて今年後半にはビッグレースを走っているのは間違いない。脇本がつくった競輪から自転車競技に近いスピードが絶対のKEIRINへの流れは止まらない。(緒方 泰士)