競輪熱のさらなる上昇には何が必要か。19年度の売り上げは約6600億円だったが、24年度は約1兆3200億円。瞬く間に倍となった。今年度もここまで堅調に売り上げを伸ばし、最盛期だった平成初期の売り上げに近づいている。ここからもうひと押し。夢の年度売り上げ2兆円にはさらなる〝競輪場のにぎわい〟も必要だと感じる。
ネット投票が売り上げを支えているが、競輪場を訪れるファンも増えた。7月のサマーナイトFの最終日には玉野に8000人超が訪れた。〝競輪場が盛り上がっている〟と画面上で見れば〝行ってみよう!〟と人が人を呼ぶ。そこで〝生の競輪も最高!〟となればさらに競輪の沼にハマるに違いない。もっと、もっと場内にファンを呼びたい。
そのために早急に手を打たなければいけないのが「通信設備の改善」だろう。スマホで情報を集め、ネットで車券を買い、生でレースを見て、それをYouTubeで振り返る。このような動きをする場内のファンが増えた。ただ、ファンが入れば入るほど、回線がどんどん重くなる。玉野の最終日は全く通信ができなくなった。新たにファンが来ても〝レースは凄いけど、家の方が快適〟と思われたらもう足を運んでくれない。ファンを定着させるため、強力なWi―Fiを設置するなどの策が必要だ。
もう一つ。トイレについて。競輪場に来たら誰もが一度は使う場所。最近は家族連れも多いだけに、子供や女性も楽しめる場所にしないといけない。一番汚い場所を一番奇麗にする気持ちで整備する。トイレがピカピカなら、全体がクリーンなイメージとなり新規のファンも逃げない。
現在、場内のイベントを充実させ、ファンを呼ぼうとする努力を強く感じる。さらに呼び込み、定着させ、にぎわいを生むため。ネット環境とトイレの整備もご一考いただきたいです。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の30歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪一本に。愛犬の名前は「ジャン」。玉野では場内の充実したキッチンカーで昼食を調達した。