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【記者コラム】17年目ハルキ!覚悟の追い込み転向‼

 ハルキが第二章をつづり始めた。14~16日に開催された西武園のS級初日特選。吉沢純平を先頭に永沢剛、田中晴基(35=千葉・90期)、白戸淳太郎と東日本4人で並んだ。違和感を感じる。田中が前で白戸と南関ラインではないのか。「もう前では走りません。追い込みに転向しました」。そう、田中晴基はデビュー16年目でスタイルを変えた。
 
 きっかけは2月の平記念2日目。中団を確保したが、何もできず終わった。「松坂英司さんの前で仕掛けず見てしまった。いつも仕事をして守ってくださるし、2人で決めたいと思う先輩。それなのに、仕掛けられなかった」。尊敬する人の前での屈辱が、自力で戦うことを諦めさせた。そして、8月の岐阜でバック数がなくなると、断固として自分で動かず、追い込み選手として戦っていく覚悟を決めた。
 
 元々、ヨコも強い。19年の松戸ダービー決勝で深谷知広を強烈なブロックで止めたのは印象的だ。ただ、目指すべき追い込み選手はヨコの動きだけではない。自力選手の信頼を勝ち取ることだ。理想は小倉竜二。「何年も前だが、同期の阿竹智史さんが捲り主体だったのに、師匠の小倉さんをつれ打鐘から先行した。レース後、〝後ろが全てやってくれるから〟と言っていて、カッコいい、これが競輪だなって」。この人が後ろなら。そう思わせる仕事人を目指し技術を磨く。
 
 「一つの夢は深谷と連係すること」。2年前に一発お見舞いした敵は、今や強力な南関の仲間だ。セッティングに悩めば、開催にハンドルを10近く持ち込むような研究熱心な男。すぐに追い込みの技を手にしてもおかしくない。「ハルキさんが後ろなら」と前がバンバン仕掛ける。南関の機動型が熱狂的な〝ハルキスト〟になる日も近い。
 
 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の26歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。愛犬の名前は「ジャン」。伊東FⅠ(21~23日)準決の坂口晃輔(33=三重・95期)の技ありブロックにはしびれた。