ニュース&記者コラム

【記者コラム】ファンの声援あってこそ競輪

 29日決勝の松戸記念は深谷知広(33=静岡)が1月大宮以来、通算19回目の記念優勝を飾り幕を閉じた。

 8月は首都圏でグレードレースのナイターが続いた。10~13日が京王閣GⅢ、15~20日が西武園オールスター、26~29日が松戸記念。京王閣は京王多摩川駅、西武園は西武園駅、松戸は北松戸駅から競輪場が見える立地で徒歩数分で着く。

 1Rが3時過ぎの発走のナイターは酷暑の中で開幕する。私は心房細動の手術後の復帰戦だったこともあり、牛歩で競輪場に通った。西武園と松戸は正門から入り、場内を散策しながら記者室に向かう。電車を降りた時から〝ファンが入ってるな〟という感覚はあったがモニター前では久々に「オーッ」というどよめきを聞いた。一休みしながら、ゆっくり歩いたことで出店も目に付いた。やはり競輪場の雰囲気はいい。

 競輪は本場ならではの良さがある。プロスポーツである以上はファンの前で走るのが前提。ゴール前の叫び声、レース後の怒号、選手紹介時の声援。〝ファンの声が選手を育てる〟と言われた全盛時を思い出すシーンもあった。

 京王閣、西武園、松戸と首都圏のグレードレースが続いたことは「ナイター」本来の夏場にファンを本場に呼ぶ開催だったと思う。

 西武園と松戸は売り上げ目標もクリア。ナイターグレード開催当初から比べれば場外発売も充実したことで定着してきた。西武園オールスターと松戸記念はナイターの単独開催も一因。モーニング、日中、ミッドナイトと時間帯が違うことでファンはナイター時間帯は1場に集中できる。

 「9車のグレードレース」より「7車立て」がいいファンもいることも事実。しかしグレードレースを盛り上げるには1場集中も一考すべき。これは特にGⅠ、GⅡ開催に当てはまる。

 ◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)生まれ、熊本県出身の61歳。慶大卒。87年4月入社、同5月の花月園新人リーグ(59期生)で記者デビュー。以来、現場取材一筋37年。9車立ての勝負レースは5車の結束、番手捲り。

KEIRINスポニチ ファン必見!
最新ニュース配信、ミッドナイト詳細予想、記者コラム、ガールズケイリンなど無料で見られる情報が満載。そのほか、お得なキャンペーンも。