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【記者コラム】”人一人VS人一人”ライン構成で生まれる人間ドラマ

 競輪ファンにとっては一年の総決算であるグランプリが終わり、きょう31日は元日のようなもの。〝あけましておめでとうございます〟という気持ちだろう。元々、競輪が大好きで記者になり1年。間近で感動、興奮を目撃してきた。それだけではない。人と人が戦うからこそ生まれる競輪ならではのドラマに魂を揺さぶられ、魅了された。
 
 ラインを組んで戦う勝負の形は、記者が選手に翌日の番組を見せて、「自力」や「○○君へ」などコメントを受けて決まる。すんなり決まる時もあれば、目標となる選手がおらず「○○さんと話してから」、「先輩の了解を得てから」と待つ場合もある。それでも基本的には〝想定通り〟のライン構成になる。
 
 しかし、そうはならない時に競輪らしいドラマが生まれる。同県ではない同地区が3人いて、機動型1人と追い込み型が2人。この場合、基本は点数上位の順に番手、3番手と折り合う。記者側もおそらく、こちらの選手が番手だろうなと思って番組を見せると「○○君には世話になっているから3番手」。勝負の世界だが〝世話になっている〟と、有利な番手を譲る。
 
 この逆もある。ある初日特選で機動型1人に対し同県の追い込み型3人。点数順で折り合うかと思えば「4番手は回れない。同県の先輩でも番手を主張する」と同県同士の競り。〝恩〟もあれば〝プライド〟もある。競輪ならではのラインに選手の人生が懸かり、見ている側は胸を熱くする。
 
 バンクで繰り広げられる高速バトル。人が自転車で70㌔以上のスピードを出す。凄い。ただ、それだけではない。〝人VS人〟というよりは〝人―人VS人―人〟だからこそ生まれる人間ドラマ。〝―〟に込められた人生。1年目の若造だからこそ思った。競輪は最高だ。
 
 ♤渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の25歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。愛犬の名前は「ジャン」。来年の目標は車券回収率200%超え。