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【記者コラム】今でも思い出す93年「神山伝説」の始まり

 平成最後のグランプリ2018(12月30日、静岡)の出場選手が決まった。競輪祭決勝戦で3着の清水裕友(24=山口)が9番目のGP切符を獲得。〝○○が○着で○○が○着のケース〟という中で初出場を決めた清水にはスターに欠かせない勝負強さを感じた。

 

 85年に始まったGPが今年は初めて静岡で開催。展開推理の一つである選手の車番決定方法は当該施行者により決まる。過去の例を挙げれば立川は番組編成課、京王閣は公開抽選などがある。今回の静岡は出場選手が自ら希望する車番を選択する方法が採用される。

 

 もちろん希望車番の選択順には序列がある。①GⅠ優勝回数の多い者。②GⅠ優勝回数が同数の場合は選考用賞金獲得順の上位者。③GⅠ優勝でない者は選考用賞金獲得順の上位者。したがって選択順は三谷竜生(31=奈良)、脇本雄太(29=福井)、浅井康太、新田祐大(32=福島)…の順になり12月18日の前夜祭で決定する。そう、今年のGPは近畿勢の車番がいい。

 

 「平成を振り返る」は平成5年の1993年。3月の立川ダービーは65期の海田和裕(三重、引退)が特別初制覇。同期の吉岡稔真(福岡、引退)と比較され〝強さは吉岡、逃げは海田〟と評される徹底先行型だった。当時は5月に開催された寛仁親王牌2日目ローズカップでの吉岡と海田の3周にも及ぶ壮絶な先行争いは今でも記憶に残る。海田はこの年の特別競輪5回全てに決勝進出。先行選手として一時代を築いた。

 

 6月高松宮杯は井上茂徳(佐賀、引退)、8月青森全日本選抜は高木隆弘(49=神奈川)が優勝。そして9月の宇都宮オールスターは神山雄一郎(50=栃木)が悲願の特別初制覇。涙、涙の表彰式に金網超しに涙するファン、そのシーンを見守りながら涙する仲間、関係者。16回のGⅠ優勝を誇る「神山伝説」が始まる感動的な優勝劇だった。

 

 ♤中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の56歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に倉岡慎太郎(熊本)ら59期生のデビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋31年。平成5年一番の印象レースは9月の宇都宮オールスター。