今年初のGⅠ全日本選抜(岐阜)は、郡司浩平が直線で鋭く抜け出して通算3度目のGⅠ制覇を飾り、早くもKEIRINグランプリ(12月30日、静岡)出場を決めた。劇的な復権は光ったが、それと同等にVの立役者となった北井佑季の存在は大きかった。
全日本選抜では無傷の3連勝で初のGⅠ決勝を決めた。決勝では叩かれた新山響平を捲り返したが、直線で力尽きて3着に。「最後は行けなかっただけ。力不足です。悔しいです」と感情をむき出しに、目頭を熱くした。初のファイナルは悔しい思いとなったが、着実に収穫もあった様子だ。「脇本(雄太)さんや、新山君に出られても後ろに入ってレースを運べたし、そこは成長したのかな。いままでそういうレースをしてこなかったので」と大舞台で柔軟な動きを身に付けて、レベルアップは顕著だ。
GⅠ後の2月四日市FⅠでは圧巻の走りが光った。「岐阜が終わった次の日から練習をしている」と激闘の疲れも見せずに、トレーニングに励んだ。初日は豪快に捲って快勝すると、準決では得意の突っ張り先行で別線を完封した。「GⅠでいい感じに走れたのが続いているし、練習をしてそれ以上の上積みがある」と前回以上の手応えを感じていた。続く決勝では打鐘過ぎから一気のカマシ。別線を寄せ付けずに完全Vを決めて脚力の高さを存分に示した。
大舞台では脇本雄太を撃破する金星を挙げると、FⅠ戦では無双状態。現状でパワーは間違いなく、競輪界トップでS班並の脚力を備えている。加えて日々進化を遂げて、さらなるパワーアップも見込める。今年はタイトル奪取にも期待がかかり、自慢の剛脚を存分に発揮して大舞台で躍進していく。