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【記者コラム】取得賞金少なく もつれそうなGP争い

 21日決勝の伊東「共同通信社杯」は中本匠栄(33=熊本・97期)の優勝で幕を閉じた。1着入線の山田英明(佐賀)が失格。2着入線の中本が繰り上がりで優勝したが、失格や落車が生じるのが競輪。ビッグレース(GⅡ)初の決勝進出で〝一発ツモ〟を決めた中本の勝負強さが際立ち「なかもと・しょうえい」の名前が知れ渡る結果となった。

 中本がこの優勝で賞金ランキング12位に進出。グランプリ(12月30日=平塚)の賞金争いも残り2カ月となった。出場権利を獲得しているのは今年GⅠ優勝の清水裕友(山口)、脇本雄太(福井)、松浦悠士(広島)の3人。残るGⅠは前橋親王牌(10月15~18日)と小倉競輪祭(11月18~23日)の2つで優勝者の重複にもよるが、4人は賞金順位により選出される。

 ただし今年の賞金争いは例年と違う。新型コロナ感染症拡大防止策で4~5月は開催中止が相次いだ。GⅠ最高峰にランクされる5月の日本選手権競輪(ダービー)が中止。ダービーは賞金も高額で決勝2着、決勝3着の選手もグランプリ出場に近づく。最近では17年の京王閣ダービーで優勝した三谷竜生(奈良)に続いて2着に入った桑原大志(山口)のグランプリ初出場が記録に残る。

 記念競輪も4~5月は平塚、西武園、函館などが開催中止になった。したがって今年の賞金ランキングは取得賞金が少なく、現在5位の和田健太郎(千葉)から14位の原田研太朗(徳島)までの10人が約1400万円の間に位置する。

 例年、11月の競輪祭前には賞金順位のボーダーラインが数人に絞られる。しかし今年は競輪祭最終日までグランプリ争いはもつれそうだ。そして取得賞金が少ない今年は初出場の選手が例年より多いケースもある。勝負の世界は結果が大事。優勝したかどうか。グランプリに出たかどうか。

 ビッグ初優勝を飾った中本の勝負強さも今年終盤戦の見どころの一つになる。

中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の58歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に倉岡慎太郎(熊本)ら59期生のデビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋34年目。通算車券購入額上位者は①神山雄一郎②鈴木誠③小橋正義。