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【記者コラム】吉田拓 地元Vへ心身ともに充実

 13日まで開催された奈良記念は、脇本雄太の復帰戦で大いに注目を集めた。脇本は昨年10月久留米で行われた熊本記念の初日を走って長期欠場。理由は体の内部の腸骨疲労骨折によるものだった。東京五輪へ向けての長年のハードな練習によるダメージが積み重なっていたのか。体を休め走れる手応えをつかんで4カ月ぶりの復帰戦に選んだのが奈良記念だった。

 初日は2角捲りで快勝。「まずはほっとしました。復帰戦が地元地区の記念でうれしい。体は完全復活とは言えないが十分に戦える状態です」と話した。2次予選は打鐘前から先行、準決勝でも逃げ切り先行日本一をアピールしたが自身は「自分の評価としては衰えている感覚がある」と表情はさえなかった。決勝戦は中四国5車の連係の前に7着に終わり不安が的中した形になった。

 脇本はS班でなく、昨年は出走機会が少なかったことでGⅠ全日本選抜(20~23日、取手)には出場できない。ベストの状態でなくてもその存在自体が脅威の男が不在とあって、奈良記念を制した松浦悠士、シリーズを通して存在感を示した吉田拓矢が、今年初のGⅠVへこん身の勝負かけるのは当然だ。

 吉田は前走の落車の影響が心配されたが「手違いで大きなケガの発表になって。少し休んで練習しました」と不安はないと強調し、初日から3連勝で決勝戦に進出。「新車のフレームがマッチしています」と抜群の手応えをつかむ。以前は集中して堅い表情の時が多かったが今は違う。笑顔も見せて自然体でレースに臨んでいる。弟の有希が新田祐大を破ったレースにも刺激を受けた様子。心身ともに充実の今、地元でのGⅠ2Vへ視界は良好だ。(緒方 泰士

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