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【記者コラム】向かい風受け鍛錬 野口の走りが楽しみ

 取手競輪場で行われていたFⅠのスポニチ杯(1月31~2日)。連日、4億円を上回る売り上げを記録して3日間で12億円を超える盛況だった。社杯ということで紙面に大きく取り上げていたかいがあったというものだ。

 今シリーズを大きく盛り上げたのは千葉の大砲、野口裕史(38=111期)。本命に期待した決勝はいつも通りに果敢に先行したが、別線の機動型の高橋築に番手に入られて6着と残念な結果に。それでも、ハンマー投げで鍛えた強じんな肉体から繰り出すパワフルな先行は本当に見ていて気持ちがいい。昨年の西武園記念では誰も止められない驚異的な突進力で破竹の4連勝で記念初Vを決めている。「GⅠの全日本選抜にもGⅡのウィナーズカップにも出られない」と寂しそうだったが、今のスタイルを貫いて大舞台で活躍してほしいと期待している。

 冬の間はほとんどバンクに入らず、街道で乗り込む野口。重くタイムの出にくいこの時期だからこそ、寒さの厳しい時間帯にあえて向かい風の強い場所で鍛錬を積んでいる。その効果は歴然で「競走でバンクに入った時に軽く感じるので自信を持って走れる」。ちなみにバンクに入るのは「みんなのタイムが良くなって来てスピード練習が必要だと思った頃」。厳しいバンクコンディションが続くこの時期だからこそ積極的に狙ってみたい選手なのだ。この後は京王閣の4日制のナイターを走ってから高知記念、玉野記念に臨む。7車ではなく9車のレースで果敢に風を切り、後続を一本棒にする走りが楽しみだ。

 ◇狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日生まれ、神奈川県出身の57歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰した。取材する機会の多いミッドナイト競輪は競走得点順になり「何番車ですか?」と尋ねられることもなくなった。

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