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【記者コラム】宿口Vで「埼玉ポーズ」も全国区に⁉

 第72回高松宮記念杯競輪は宿口陽一(37=埼玉)によるGⅠ初優出→初優勝で幕を閉じた。関東勢にとっては横綱・平原康多を直前練習でのケガで欠くという苦しい流れだったが、吉田拓矢とともに平原の魂を引き継ぎ、関東ワンツーというグランドフィナーレに持ち込んだ。やはり競輪は脚力が全てではない。最高のヒューマンドラマである。
 記念Vもない37歳ミドル世代によるGⅠ一発ツモには誰もが驚き、同世代の選手たちには勇気を与えた。宿口にはこの栄冠を重圧とは思わず、年末のグランプリに備えてほしい。
 ちなみに、OKサインを作った両腕をクロスさせる「埼玉ポーズ」はその宿口が発祥。撮影時の定番ポーズだが、これで一気に全国区になった。今後は縁起のいい決めポーズとして重宝されることになるだろう。
 さて気になるのは東京五輪の行方。開幕まであと3週間弱。各競技の日本代表選手も続々と決まっているが、緊急事態宣言解除後も首都圏では新型コロナ感染者がまた増加に転じている。厄介なのは日本入りした各国の選手団に陽性者が多発していること。水際対策の甘さが浮き彫りとなった。このままでは大会中の緊急事態宣言発令は避けられないか。1万人上限の有人開催から無観客へ。さらには中止という可能性もゼロではない。それ以前に大会反対の声もいまだに半数近く出ている現状である。
 私自身も政府の対応やIOCへの不信感は全く消えていない。ただ開催するというのであれば従うし、ワクチンを打てというのであれば打つ。東京五輪を「望まれない大会」だけにはしたくないからだ。全ては血がにじむ思いで準備してきたアスリートたちに敬意を払ってのことである。チームJAPANの新田祐大、脇本雄太らに接してこなかったら、そうは思えなかったと思う。
 頑張ってほしい。負けないでほしい。そして最高の笑顔を引っさげて、また競輪に戻ってきてほしい。